雪の木曽駒ケ岳を撤退したけど、ソースかつ丼を食べたら清々しい気持ちになったお話
2017年2月10日~11日まで木曽駒ケ岳の登山目的で千畳敷カールに行ってきました。
結局は雪による視界不良で撤退して悔しかったのですが、山から下りて温泉に入って美味しいものを食べたら、
「次の木曽駒ケ岳ではいい景色見るぞ!」
と気持ちを切り替えられて、清々しい気持ちになれたのでした。
この記事では僕が木曽駒ケ岳に登るためにホテル千畳敷に泊まったこと、そして天候不良により撤退までに思ったこと・撤退後に感じたこと、下山後の温泉と駒ヶ根名物のソースかつ丼を食べたお話を書いていきます。
ホテル千畳敷に泊まる
「山の天気は分からないから、晴れるかもしれませんよ」
と、ロープウェイの中で従業員のお姉さんは言ったものの、外はかなりの荒れ模様でした。
僕は2週間前に有給を取って、ホテル千畳敷を予約してここまで来ました。
この日はホテルに泊まるのですが、天気は雪。
ちなみに明日も天気は曇りの予報。
ちょうど、今年一番の寒冷前線が下りてきていて、天気は芳しくありませんでした。
ロープウェイから景色。ガスガスでした。
ちなみにこのロープウェイはとっても速いです。
あっという間に標高2612mまで登ります。
ホテルは駅から直結しています。受付を済ませて部屋に入ります。
秋などはとても混むようですが、この日は8畳の部屋に2食付きで1万円ちょっとで泊まれましたよ。
とても暖かく快適な部屋でした。
部屋の窓の前には千畳敷カールが広がります!
ただし、この日は生憎の空模様。ガスっていて、風が強い。
それでもうっすらと宝剣岳が見えました。
「少しでも晴れないかなー」
と外を見ますが、一向に天気は良くなりません。
こんな天気ですが、外では雪上訓練をしているグループがいました。
すごいですね。僕には無理です。
18時からは夕ご飯。ちなみにホテルには16時ぐらいにチェックインしました。
ご飯は夕飯、朝食ともにすごく美味しかったです!
下界のホテル以上の味でした。
部屋に戻り、うつらうつらしていると外が晴れていました!
外に出て写真を撮ります。
月明りがとても明るく、綺麗に稜線が見えました。
雪の宝剣岳
伊那前岳と千畳敷ホテル
晴れていればあの真ん中を通って乗越浄土へ行っていたはず
「これは明日の朝ははれるかなぁ」
と期待したのですが、翌朝の天気は荒れていました(泣)
荒れ模様の千畳敷カール、撤退を決める
翌朝、期待を胸に起きてみると何も見えませんでした(笑)
「これは木曽駒ケ岳へ登るのは無理だな」と思いました。
無理をしないでおこうと思った理由はいくつかあります。
- 天気が良くない、視界不良
- しかも初めての山でそれも雪山
- 雪崩や遭難が多いのを本読んで知っていた
一番の理由は天気です。
天気が良ければ道も見えるし、見通しもあります。
歩行時間も長くはない(4時間程度)ので行っていたでしょう。
でも雪でホワイトアウト気味のこの天気。
風が強いのでトレースもすぐに消えるだろうし、何せ雪が吹雪いて見通しがないんです。
しかも雪崩が多いこの場所、この状況は僕にはリスキー過ぎました。
千畳敷カールを下ったところからホテルを撮影。こんな天気でした。
それでもすぐに下山するのは勿体なかったので、モフモフの千畳敷カールを歩きまわりましたよ。
かなり雪が深く積もっていて楽しかったです。
ワカンを付けていても膝の深さぐらいに脚は埋まっていたと思います。
山へ向かう人たち。左は雪上訓練中の人たち。
こんな天気の中でも乗越浄土へ向かう人はいましたね。
正直羨ましかったのです。
ホテルの前から、彼・彼女らが登っていくのをしばらく眺めていました。
この時はかなり悶々としていました。
でも、命あってこその登山。
山は逃げないので僕は次の機会まで待つことにしました。
運賃とホテル代を合わせると、2万数千円の出費。
かなり悔しかったですが、これだけ焦らされると次に昇れた時は最高の気分でしょうな(笑)
そう考えると気分が楽になりました。
準備だけは万端でしたが、天気がね…
それにしても、外はめちゃめちゃ寒かったです。
気温計はマイナス15度でしたが、曇&雪と強風からなのかそれ以上に寒く感じました。
今までに感じたことのない寒さです。
手袋を外すとものの5秒ぐらいで感覚がなくなり、少し立ち止まると寒気が襲ってくるレベル。
雪の黒斑山はマイナス20度、先々月行った北横岳はマイナス15度ぐらいでしたが、比べ物にならないくらい寒かったです。
ちなみに木曽駒ケ岳はロープウェイが合ってアプローチがいいのですが、冬の時期は雪崩や滑落など遭難が多いことで有名です。
残雪の春の時期ですが羽根田さんの本には伊那前岳の突風のことも紹介されていました。
下の画像(千畳敷カールへの入口にあったもの)を見てもらうとわかりますが、分かっているだけでも毎年のように事故が起きています。
僕が行ったときも年末から単独で入った人が行方不明になっていると張り紙がありました。
それから、僕が下山して3日後には残念なことに木曽駒ケ岳で低体温症(疲労凍死)で亡くなる事例も起きています。
簡単な山ではありません。
温泉に入り、ソースかつ丼を食べて地ビールを飲む
昼過ぎにロープウェイ、バスを乗り継いで菅の台バスセンターに下りてきました。
帰りはバスを予約していて、まだ時間があったのでこまくさの湯という温泉に入ることにしました。
バス停からは歩いて5分ぐらいの距離です。ホームページはこちら。
ここの温泉がすごく気持ちよかったです!
冷え切った体が温まり、かなり癒されました。
写真がないのが残念ですが、雪の降る景色と山を見ながらの露天風呂は最高でした!
お風呂の後はお昼ご飯にします。
僕は知らなかったのですが、ここ駒ヶ根市のソースかつ丼が有名らしく、それをいただくことにしました。
それに加えて、南信州ビールなる地ビールも頼みました。
ソースかつ丼は味が濃くて、ほっぺたが落ちそうなほどに美味しかったです。
南信州ビールはまさに芳醇。最高のひと時でした。
ご飯を食べたらバス停に戻り、駒ヶ根駅に向かいます。
バスは冬季ダイヤで1時間に1本出ていました。
帰りは高速バスだったのですが、1時間ぐらい時間がありました。
近くにカフェはないか調べたところ、ムーミンパパというお店がありましたので、そこでコーヒーとケーキのセットをいただいて休憩しました。
そんなこんなで、今回の山行は撤退になりました。
残念な気持ちもありましたが、温泉に入って地元の美味しいものを食べたら、かなり満足して帰ることができたのでした。
次はいい天気の時に木曽駒ケ岳に登るぞ!
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