雲ノ平の歩き方・楽しみ方 – 難ルートと絶景ポイント解説【縦走コースガイド】

    7月末から8月頭にかけて、憧れだった雲ノ平をテントを担いで縦走してきました。

    コースは、富山県の折立から雲ノ平を歩き、長野県の新穂高温泉に下りるというものでした。

     

    今、雲ノ平の登山を終えて、

    「次歩くならこういうコースを考えてもいいな」

    「こういうこと勉強しとけばよかった」

    などなど、感じたことがいっぱいあります。

     

    難ルートや絶景ポイントに装備、それから僕なりに考えた雲ノ平の楽しみ方について書いていきます。

     

     

    振り返って水晶岳に伸びる稜線
    ワリモ岳から水晶岳に伸びる稜線を望む

     

    目次

     

    雲ノ平へのルート・コースについて

    冒頭で触れましたが、僕は折立~新穂高温泉へのルートを歩きました。

    おそらく、雲ノ平へ入る最短ルートです。

    参考内容については、下記の記事をご覧ください。

     

    折立→雲ノ平→新穂高温泉ルート

    1日目:憧れの秘境に向けて出発!【折立~太郎平小屋~薬師峠キャンプ場】

    2日目:急登を越えて雲の平へ【薬師峠キャンプ場~薬師沢小屋~雲ノ平山荘】

    3日目(1):素晴らしい祖父岳からの展望【雲ノ平テント場~祖父岳~ワリモ北分岐】

    3日目(2):鷲羽岳から稜線歩き【ワリモ北分岐~鷲羽岳~三俣蓮華岳~双六山荘】

    4日目:雲上の槍ヶ岳を見る【双六山荘~鏡平山荘~ワサビ平小屋~新穂高温泉】

     

    僕は事前に「ヤマケイ アルペンガイド剱・立山連峰」を読んでいきました。

     

    ヤマケイ アルペンガイド8 剱・立山連峰 (ヤマケイアルペンガイド)

     

    今回のルートは次の画像の通り。

    スタート地点は画像左上の富山県の「折立」です。

    雲ノ平テント泊 地図 折立~太郎平小屋~雲ノ平山荘~鷲羽岳~双六小屋~新穂高温泉
    今回の山行地図。拡大画像はこちら

     

    他にも雲ノ平を歩くコースは色々考えられます。

    例えば、僕が歩いたのとは逆ルート。

     

    新穂高温泉→雲ノ平→折立ルート

    帰りに「このコースは登るには大変そうだな」

    と思いながら下りてきました。

     

    大変だな、と思った一つの理由は景色の問題

    新穂高温泉から5時間以上の間、鏡平山荘近くまで展望が開けません。

    一方、僕が歩いた折立をスタートするコースは2~3時間歩けば、広々とした展望のいい草原の中を歩けます。

     

    雲ノ平ルート
    最終日の双六小屋からの下りルート

     

    もう一つは体力的な問題

    新穂高温泉の標高は1,090メートル。

    初日を双六山荘まで行くとなると、

    8時間かけて1,500メートル以上登らなければなりません(泣)

     

    これはなかなかハードです。

    鏡平山荘で泊まる場合も後の行程を考えるときつくなりそう。

    それに、そこにはテント場はありません。

     

     

    反対に折立からのコースであれば、1,000メートルの登り。

    太郎平小屋まで4時間半で着きます。

    体力的にはこちらが圧倒的に楽です。

     


    折立から登れば2~3時間で気持ちのいい尾根道に

     

     

    折立周回ルートの場合

    車を折立に駐める場合は、雲ノ平の周りを歩くコースが考えられます。

    山行中にお話した男性は、

     

    1日目:折立→太郎平小屋

    2日目:太郎平小屋→黒部五郎岳

    3日目:黒部五郎岳→雲ノ平山荘

    4日目:雲ノ平山荘→折立

     

    というルートを歩いていました。

    う~ん、憧れの黒部五郎岳。僕もいつか歩いてみたい!

    連日テント泊も可能です。

     

    祖父岳から見る黒部五郎岳
    中央に見える山頂からえぐれた形が特徴的な黒部五郎岳。右へ伸べる稜線を歩くと折立方面に続く

     

     

    上記のルートは雲ノ平の南方を西から東に周るルートですが、北方を周るルートもあります。

    高天原(たかまがはら)を行くルートです。

    そこには日本一遠いと言われる高天原温泉もあります!

    wikipedia:高天原温泉

     

     

    この場合、2日目に薬師沢小屋を過ぎたところを雲ノ平へ登らずに、北へと歩いていきます。

     

    1日目:折立→太郎平小屋

    2日目:太郎平小屋→高天原山荘

    3日目:高天原山荘→雲ノ平山荘

    4日目:雲ノ平山荘→折立

     

    3日目に高天原山荘から南に歩いて、雲ノ平へたどり着く3時間コースとなります。

    物足りない場合は、

    高天原山荘→ワリモ岳→祖父岳→雲ノ平

    だと、景色も良くて楽しそうです。

    高天原山荘にはテント場がないので、2日目は小屋泊となります。

     

    雲ノ平と高天原の分岐
    薬師沢小屋を過ぎると、高天原ルートと雲ノ平直登ルートに分かれる。ちなみに雲ノ平直登ルートはこの山行で一番辛かった(笑)

     

     

    その他ルート

    その他に雲ノ平へ行くルートも色々とあります。

    • 読売新道を南に行くルート
    • 裏銀座からの雲ノ平
    • 槍ヶ岳からの西鎌尾根→雲ノ平

    この場合は、山行日数が長くなりますが、かなりの充実登山になりそうです。

     

    薬師沢へ向けて下りが始まる
    太郎平小屋から雲ノ平への道。

     

    鷲羽岳・水晶岳へ登ろう!

    時間が許すなら、鷲羽岳や水晶岳へ登ることをおすすめします!

    今回、僕は水晶岳へは登れなかったのですが、当初は雲ノ平で2泊して1日は水晶岳と鷲羽岳に登る計画でした。

    でも悪天候で計画が後ろ倒しになって行けなかったんです(泣)

     

    その代わり、3日目に鷲羽岳を経由して双六山荘へ行きました。

    景色は圧倒的、楽しい稜線歩き。かなりおススメです。

    ただし、体力的には少しヘビーです。

     

    体力に自信がない場合は、祖父岳(じいだけ)にピストンでいいので行ってみてください!

    雲ノ平テント場からであれば、往復2時間程度。

    三俣山荘方面へ行くのであれば、途中で立ち寄るとして往復1時間です。

     

    何を隠そう、僕がこの山行中に最も景色がいいと感じたのは、この「祖父岳」からの眺めです!

    祖父岳からの展望は下記動画の10分辺りからご覧ください。

     

     

     

    ここからは百名山がいくつも見えちゃいます!

     

    黒部五郎岳、薬師岳、水晶岳、笠ヶ岳、鷲羽岳、槍ヶ岳に穂高連峰…

    最高です。

    もちろん、雲ノ平も見渡せます。

     

    山頂は広いので、ここでご飯を食べるのもいいです。

    僕はここで鷲羽岳、槍に穂高を見ながら朝食を食べました。

     

    絶景の中でカレーを食べる
    祖父岳山頂から絶景を見ながらの朝食

     

    雲ノ平の難ルートは?

    今回、僕の歩いたコースの中で辛かった難ルートを紹介します。

     

    一番辛かったのは、薬師沢小屋から雲ノ平へ上がる急登です!

    思い出しただけでも泣けてきます(笑)

    標高差は500メートル足らずなのですが、大きい岩を手と足を使って2時間ひたすら登ります。

     

    雲ノ平への急登
    辛すぎた雲ノ平への急騰

     

    まさに、修行状態。

    展望もなく、樹林帯の中をひたすら上を目指して登ります。

    あそこは下るのも簡単じゃないはず。

    落ち着いて休める場所もなく、気分も休まりません。

     

    高齢のおばあさんも登っていて、

    「自分のことを本当に褒めたいと思ったよ!」

    と仰っていましたが、全くの同感です(笑)

     

    ただ、その他は難しいルートは特にありません。

    上記の難ルートについても体力的には厳しいですが、技術的な難しさはありません。

    このコースは安心して歩けるところがほとんどです。

     

    絶景ポイントはたくさんある

    絶景ポイントはたくさんあります。

    一つは、先に書いた祖父岳からの景色。

    僕はここが一番です。

     

    他に例を挙げると、

    • 太郎平小屋から薬師沢へ下りる前までの木道(水晶岳、鷲羽岳の遠望)
    • 雲ノ平の巨岩が広がるお花畑
    • 祖父岳麓のハイ松を抜けたところ(雲ノ平、黒部五郎岳、薬師岳の眺め良し)
    • ワリモ岳~鷲羽岳の尾根道(燕岳、残雪の三俣蓮華岳、裏銀座の稜線)
    • 双六山荘から鏡平にある弓折岳の稜線(槍ヶ岳と穂高連峰)

    などです。

     

    雲上の槍ヶ岳と穂高温泉
    折岳の稜線から見た雲上の槍ヶ岳と穂高連峰

     

    僕が行った時は曇っていましたが、三俣蓮華岳~双六岳の尾根も晴れていたら最高でしょう。

     

    僕は今まで北アルプスは燕岳や常念岳、涸沢や北穂高など歩きましたが、そこと比べて雲ノ平周辺の山域は壮大です

    圧倒的に広くて大きくて、遠近感がおかしくなります(笑)

     

    雲ノ平を歩く装備・食料について

    テント泊では基本的に夏仕様で問題ないです。

    必ず、ストック(トレッキングポール)は持って行った方がいいです!

    新穂高温泉への下り、鷲羽岳からの急坂はかなり足にきます。

     

    ◆関連記事
    冬季用テント泊小道具
    2泊3日テント泊登山の装備・持ち物一覧を紹介 – 春・夏・秋季(無積雪期)

     

     

    それから日焼け止め

    樹林帯を歩くことはほとんどないため、必ず塗りましょう。

    首回りが特に痛くなるので、タオルを首に巻くこともおススメします。

     

     

    装備について、最後はアイゼン

    僕が歩いた時は必要ありませんでしたが、雪道をいくらか歩きます。

    年によっては道が凍っていてアイゼンが必要になるようなので、山行前にネットで道の状態を調べておきましょう。

     

     

    次は食料について。

    積極的に山小屋を活用した方がいいかなと思いました。

    太郎平小屋、雲ノ平山荘、三俣山荘、双六小屋ではお昼ごはんを食べることができます。

    連泊となると食料の重さが増しますが、山小屋を有効活用するれば結構な量の食料を減らせます。

     

    水場はかなり豊富で、たくさんの量を背負う必要はありません。

    事前に水場をチェックしておきましょう。

     

    祖父岳途中にある雪渓
    祖父岳の雪田を歩く

     

    暴風雨の時には危険となる場所もある

    雲ノ平縦走は連泊となるので、天候が急変することも考えられます。

    暴風雨となった場合に注意すべきポイント・ルートがいくつかあります。

     

    一つ目は太郎平小屋から薬師沢へのルート。

    ここは大雨時に通行できなくなります。

    沢を橋で渡っていくのですが、手すりがなく、滑ると川に落ちちゃいます。

    この辺りの沢は流れが早く、冷たいので増水時に落ちたらアウトでしょう。

     


    太郎平小屋から雲ノ平へはいくつかの橋を渡る

     

     

    二つ目はワリモ岳から鷲羽岳の尾根です。

    ここは天候が荒れると、ものすごい暴風になることで知られています。

    さらに雨が降ったら最悪です。

    過去には低体温症で何人も死者がでています。

     

    歩くと分かるのですが、ここは逃げ場・隠れる場所がありません。

    暴風・大雨時には巻き道を通って三俣山荘へ向かいましょう。

     

    最後は双六岳から双六山荘への尾根ルート。

    この尾根は幅が広く、濃霧や大雨時は方向感覚がなくなると思います。

    尾根から山荘への下りる道も結構急です。

    悪天候時にはこちらも巻き道ルートを行きましょう。

     

    双六岳から双六山荘へ向かう
    双六岳の尾根はだだっ広く悪天候時には方向感覚がなくなる恐れがある

     

    雲ノ平の楽しみ方

    最後に雲ノ平の楽しみ方について。

    次に紹介する3つの本を読めば、雲ノ平を楽しんで歩けます。

     

    まずは、高山植物!

    びっくりするぐらい、様々な種類のお花が咲いています。

    山行記事や動画でたくさん紹介しましたが、まだまだあります。

    僕が後悔したのは、お花の名前・特徴について何も知らなかったこと。

     

    高山植物はコマクサぐらいしか知りませんでした(笑)

    帰ってきてから本を買って高山植物について知ったのですが、事前に勉強して行った方が絶対楽しいです!

    僕は下記のポケット図鑑を買いました。

    次回は本を持っていて、テントを立てた後の持て余した時間で本を片手にお花を見て回りたいですね。

     

    ひと目で見分ける250種 高山植物ポケット図鑑 (新潮文庫)
    ひと目で見分ける250種 高山植物ポケット図鑑 (新潮文庫)

     

    続いては、「定本 黒部の山賊 アルプスの怪」。

    こちらの記事で書きましたが、めちゃくちゃ面白いです。

     

    書き手は雲ノ平山荘や三俣山荘、水晶小屋の元オーナーの伊藤正一さんです。

    Amazonでも脅威の高評価なのですが、

    「こんな話あるの!?」

    というぐらいに驚きとワクワクが詰まっています。

     

    時代は戦後。

    「伊藤さんが雲ノ平山荘を買い取ったが、そこには山賊がいた」

    なんて出だしです。

    一読をおススメします。

     

    定本 黒部の山賊 アルプスの怪
    定本 黒部の山賊 アルプスの怪

     

     

    最後は、深田久弥さん著の「日本百名山」。

    有名ですが、この本読んだことがない方が多いのでは。

     

    正直、僕はこの本はそこまで好きではありませんでした(嫌いではないですよ笑)。

    内容は深田さんが選んだ「百名山」を色々な切り口で説明してくれるんです。

     

    ただ、いかんせん昔の本。

    写真もないですし、ルート本でもありません。

    どちらかというと深田さんのその山に対する思いが詰まった本です。

     

    それが今回、双六山荘のテント場に着いたらずっと雨で、暇だったので携帯電話でKindle(電子書籍)を見てたら、ずっと前に購入した「日本百名山」があったので読んでみたんです。

    読んだパートは、黒部五郎岳、薬師岳、水晶岳に鷲羽岳。

    これが面白かった!

     

    共感できるところがたくさんあったんですよね。

    ついさっきまでその山を見て感動していたのですが、その感動の意味を文字にして深田さんが書いているんですよね。

     

    「そうそう分かるよー」

    「そうなんだよ!その山はそこがかっこいいんだよ」

    とか、自分に言い聞かせて読んでいました。

    この山域を歩く時は、高山植物図鑑と併せて、この本も持って行くと幸せになれると思います。

     

    日本百名山 (新潮文庫)
    日本百名山 (新潮文庫)

     

    以上、雲ノ平について色々と書きました!

    僕は今一番好きなのは、この山域(北アルプスの西側)ですねー

    是非、来年も行ってみたいです!

     

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