登山用レインウェア(雨具)の選び方
レインウェア(雨具)は登山で最も重要なアイテムの一つです。
雨に濡れて風にさらされてしますと、低体温症の危険にもつながります。
レインウェアは雨から身を守るだけでなく、強風から体を守る道具でもあります。
レインウェアによって防水・防風性能や使い勝手が様々。
この記事ではレインウェア素材や構造、その特徴について説明していきます。
防水加工と撥水加工の違いについて
似ているようで違うのが防水加工と撥水加工です。
『防水』加工レインジャケットは水の侵入を防ぐことを意味し、『撥水』加工の場合はジャケットの表面が雨を弾くことを意味します。
雨の侵入を防ぐ能力としては『防水』加工が優れているということ。
レインウェアの裏っ返して縫い目を見ると、防水加工か撥水加工か見分けがつきます。
防水加工の場合、裏地の縫い目の部分にラミネート加工がされています(下記画像参照)。
一方、防水加工されていないものは縫い目部分がラミネートされていません。
レインウェアの裏地。矢印部分の縫い目(生地のつなぎ目)までラミネートされているこのジャケットは防水加工されています。
レインウェアの透湿性とは
登山用レインウェアには透湿性は、生地が雨や風を防ぎつつ、体から発生する汗を外に発散する機能です。
登山中は汗をかきます。
透湿性のあるウェアであれば、より効果的に汗を放出して体が濡れにくい構造になっています。
ただし、完全に体から発する水分を外に出すことはできません。
また、その素材により透湿性能も変わってきます。
ゴアテックスとその他素材
透湿性能で有名なのはゴアテックス(GORE-TEX)。
登山用レインウェアーでは2.5層、もしくは3層構造の生地が使われますが、ゴアテックス・プロシェルは3層構造になります。
詳細は省きますが、一般的に2.5層よりも3層構造の方が透湿性能に優れ、耐久性がありますが値段が高い傾向にあります。
2.5層のレインウェアは各アウトドアメーカーが開発・販売していることが多く、マムートのDRYtech Premium、マウンテンハードウェアのドライQコア、パタゴニアのH2Noなどがその例です。
その他レインウェアの特徴・機能
ベンチレーション(換気)機能
レインウェアを着て登山をしていると風の侵入を防ぐので、体温がどんどん上がっていきます。
そんな時にあるといいのがベンチレーション(換気)の機能です。
上記パタゴニアのレインウェアは脇の部分がジッパーで開けるようになっていて、風通しをよくするように設計されています。
アジャスター
裾や頭の部分にアジャスターがあるか確認しましょう。
アジャスターを使うことでウェアを体にフィットさせて、雨・風の侵入をより防ぐことができます。
止水ジッパー
ポケットのジッパー部分が通常の作りとは違って水が入りにくい作りになっているものがあります。
これを止水ジッパーと呼びます。
止水ジッパーでなくてもレインウェアはジッパー部分を生地で覆うような作りになっています。
フードの作り
フード作りは重要です。
まずは自分の頭を覆う十分な大きさかどうか確認しましょう。
僕のように頭が大きい人は要注意ポイントです(笑)
フードが小さければ雨に濡れてしまいます。
また、帽子やヘルメットを付けて登山をすることがあるのなら、それを被った状態でもフードが十分な大きさか確認しましょう。
レインウェアのシェルタイプ
登山用レインウェアとして、基本的にはハードシェルと呼ばれるものを選びましょう。
暑い時にはベースレイヤーの上に、寒い時にはベースレイヤーとフリースなどのミッドレイヤーの上に着用することになります。
ソフトシェルは時間の短い小雨であれば雨を弾きます。
ただし、大雨やしとしとと降り続ける雨には耐えられません。
ただ、透湿性に優れて防風性もあり、さらに着心地がいいので、天候に問題なければおススメします。
着用雪の季節にはハードシェルにとって代わるころができます。
インサレーション付きのシェルは、DWR(耐久性撥水)加工されているものがあります。
これもソフトシェルと同じく時間の短い小雨程度であれば問題ありませんが、ハードシェルの代わりにはなりません。
レインウェアーの手入れについて
レインウェアーは汗や皮脂などの汚れが原因となり撥水性や透湿性が低下します。
決して安い買い物ではないのですので、正しい手入れをして長く使いたいですね。
まずは、Grangers(グランジャーズ) パフォーマンスウォッシュのようなDWR(耐水性撥水)加工を保ちながら、染みや汚れや取り除くアウトドアウェア専門の洗剤を使って洗濯しましょう。
注意点は決して柔軟剤を使わないこと。ウェアについて劣化の原因となります。
洗濯後、NIKWAX(ニクワックス) のような撥水剤を使ってその撥水性を保つようにしましょう。
最後に、乾燥機にかけましょう。熱を加えることで撥水性能が元に戻ります。
乾燥機がない場合はあて布をして低温でアイロンをかけたり、ドライヤーの熱風を使って乾かしたりするといいです。
登山後にこのように手入れをすると長く使えます。
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