登山マットのベストな選び方 – 実際に僕が使っているサーマレストのマットを交えて説明する

    テント泊の中でも重要なグッズの一つにシュラフの下に敷く登山マット(スリーピングマット)があります。

    僕はとあるテント泊でマットの選び方を間違ったため眠れないつらい経験をしたことがあります(笑)

     

    実はテント泊での寝心地を左右するのは、テントでもシュラフでもなくこの「マット」だと断言できます。

    僕はシュラフばかりに目を向けていて、テント泊を始めた頃はこの事実に気づきませんでした。

     

    マットは例えるならベッド(敷布団)です!

    シュラフは掛け布団。いくら掛け布団がいいからってぐっすりと眠れませんよね。

    表面上の暑い・寒いに対応するに過ぎません。

     

    寝心地を左右するのは、ベッド(敷布団)の方です。

    これから正しいマットの選び方と、僕がおすすめするサーマレストのマットについて書いていきます。

    サーマレストのマット
    上高地で使用したサーマレストのZライトソルとネオエアーXサーモ

     

    目次

     

    なぜ、マット選びが重要なのか

    まず最初にマットに求められる機能・役割について考えてみます。

    下記の2つが主なマットに求められることです。

     

    寝心地を良くすること
    保温性を確保すること

     

    寝心地について話すことはあまり難しくありません。マットの材質を見ればだいたい分かります。

    エアーマット(空気を入れるタイプ)は、クローズド・セル(独立気泡)パッドよりも寝心地がいい。

    それは何となく分かると思います。

     

    では、保温性についてはどうでしょうか?

    これは外見からは分かりづらいです。

    なぜなら、「マットの厚さ = 保温性」ではないからです。

    スリーピングマットの保温性はR値」という特殊な値で示されますが、これついては後ほど詳しく説明します。

     

    それではまず、マットの保温性について触れたいと思います。

    マットはその下に何かを敷いたとしても(例えば予備の衣類など)、保温効果はほとんど上がりません

     

    どうしてかと言うと、冷たい地面からの冷気を遮断して

    保温性を確保するためには、地面と体との間に「空気の層」が必要だからです

    衣類をマットの下にひいても体重でつぶれてしまい、空気の層が作れないため保温性は上がりません。

     

    僕は12月の雲取山でマット選びを間違ったためにテント泊で一睡もできないことがありました

    眠れないと体力や精神力を奪われます。かなり辛いですよ(笑)

     

    マットの種類について

    マットの種類は大きく分けて2つです。

    ・エアーマット・パッド(空気を入れるタイプ)
    ・クローズド・セル(独立気泡)パッド

     

    さらに、細かく分けると、エアーマットには半自動膨張(セルフインフレータブル)するものと、そうでないものとがあります。

    それぞれのマットの特徴は次の通りです。

     

    エアーマット・パッド(空気を入れるタイプ)

    このタイプはクッション性能を空気で作ります

    絶縁体や反射素材を使っていて温かさを保つように設計されているものもあります。

    手動で空気を入れる必要があり、マットを膨らます補助機能として収納袋ををポンプとして空気を入れるタイプやハンドポンプを使うものがあります。

     

    長所:エアーマットは、寝心地が良く、また、一年中、温かい環境を作り出すことができます。

    短所:エアーマットは、クローズド・セル(独立気泡)パッドと比べると重くて高価です。また、穴が開いてパンクする可能性があります。でも修理はそんなに難しくありません。

     

    クローズド・セル(独立気泡)パッド

    このタイプは小さな空気セルが密集しパッドを覆っていて、最もベーシックなモデルになります。

    ザックの外側に取りつけられているのは、ほとんどこのタイプのマットです。

     

    長所:軽くて値段が安く、耐久性があって(長く使えて)、絶縁性能も優れています。

    短所:エアーマットと比べると堅いので寝心地は劣り、またサイズも大きくてかさばります。

     

    選ぶ時に考えること、見るべきポイント

     

    R値を知っておこう

    マット選びで知っておきたい言葉があります。

    『R値』です。

     

    R値が高くなるほど冷たい地面からの絶縁性能が高く、温かいことを意味します。

    下記に登山マットで有名なサーマレスト製のものを3つピックアップしましたので、それぞれのR値を見てみましょう。

    エアーマット・パッドクローズド・セルパッドクローズド・セルパッド
    NeoAir XTherm
    ネオエアー Xサーモ
    Z Lite Sol
    Zライト ソル
    Ridge Rest Solar
    リッジレスト ソーラー
    R値:5.7
    厚さ:6.3cm
    重量:430g
    R値:2.6
    厚さ:2.0cm
    ​重量:410g
    R値:3.5
    厚さ:2.0cm
    ​重量:540g

     

    上記表の左のネオエアー Xサーモは、サーマレストの中でも最もR値が高いエアー式マットです。

    他のクローズド・セルパッドと比べるてもR値が圧倒的に高いですよね。

    つまり、温かさが他のマットよりも優れていることを意味しています。

     

    では、表の真ん中、右の2つのクローズドセルマットを比べてみましょう。

    厚さは同じ2.0cmですが、R値が違います

     

    表の真ん中のZライトソル(R値2.6)はリッジレストソーラー(R値3.5)と比べるとR値が低いですね。

    マットが厚さがあるほど、R値が比例して上がるいうわけではないということを覚えておきましょう。

     

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    ネオエアー Xサーモ
    サーマレストのマットの中で最もR値の高いネオエアー Xサーモ。積雪期の甲武信岳テント泊で使用した

     

    どのR値のマットを選ぶべきか

    僕の経験では春~秋のテント泊で雪が積もっていなければ、R値が2.6のマットで問題ありません。

    先に紹介したサーマレストのマットで言うと、Zライトソルで大丈夫です。

     

    春の積雪した山や気温の低い冬の山(例えば雲取山)だと、クローズドセルタイプのZライトソル、リッジレストソーラーのマットでは普通の人は寒さに耐えられないと思います。

    エアーマットを選ぶか、もしくはクローズドセルパッドを重ねるなどして対応するのがいいです。

     

    マイナス20度近くなる厳冬期はエアーマットとクローズドセルパッドの組み合わせがベストです

    具体的な例では、Zライトソルは9月の無積雪期の北岳(夜は0度ぐらいだった)では大丈夫でしたが、12月の雲取山(この時は氷点下10度ぐらい)では背中が寒くて一睡もできませんでした。

    5月積雪期の燕岳では、ネオエアー Xサーモでは問題ありませんが、弟はリッジレストソーラーで寒いと言っていました。

     

    マットの長さや幅について

    マットによって長さや幅が違います。

    短いマットは、頭や脚の部分をザックや枕などで補います。

    自分の身長やマットの携帯性を考えて購入しましょう。

    マットの長さは、保温性の面を考えると最低でも肩からお尻までの長さが必要です。

     

    僕がおすすめするサーマレストのマット

    おすすめのサーマレストのマット
    THERMAREST(サーマレスト) のZライト ソル(右)とネオエアー Xサーモ(真ん中)。大きさの比較として、一番左に555mlのペットボトルを置いてみました。Xサーモは、この収納袋が空気入れとして利用できるようになっています。

     

    僕がサーマレストのマットを選んだ理由はブログなどで評判が良かったからです。

    最初のテント泊では、Zライトソルを選んで北岳に臨みました。

     

    評判通りその性能は素晴らしく、このマットで数々のテント泊を行いました。

    その後、冬のテント泊をする時にネオエアーXサーモを購入。

    ネオエアーXサーモは寝心地も保温性も、携帯性も素晴らしいですマットです。

     

    サーマレストのネオエアーXサーモ

     

    THERMAREST(サーマレスト) Zライト ソル

    春~秋のテント泊は、このマットを良く使います。

    少しかさばるけれど、寝心地が良くて保温性も抜群です。

     

    そしてとても軽い

    登山の軽量化はとても重要ですが、その点でZライトソルは優秀です。

     

    THERMAREST(サーマレスト) Zライト ソルの裏と表
    銀色の面を上に、黄色の面を下にしてひきます。

    THERMAREST(サーマレスト) Zライト ソルの表面
    マットの表面は無数の凹凸で覆われていて、この凹凸が保温性を高めています。

     

    THERMAREST(サーマレスト) 寝袋 マット Z Lite Sol Zライト ソル シルバー/レモン R (51×183×厚さ2cm) R値2.6 30670 【日本正規品】
    THERMAREST(サーマレスト) 寝袋 マット Z Lite Sol Zライト ソル シルバー/レモン R (51×183×厚さ2cm) R値2.6 30670 【日本正規品】

     

    THERMAREST(サーマレスト) ネオエアー Xサーモ

    積雪期の山や、氷点下を下回るような山でおすすめのマットです。

    保温性は抜群でサイズもとてもコンパクトになります。

     

    空気を入れて膨らます必要があり、また、撤収時も空気を抜く作業があるので、クローズドセルタイプと比べるとひと手間かかります。

    でも、この寝心地はたまりません。

     

    THERMAREST(サーマレスト) ネオエアー Xサーモのコンパクトさ
    このようにクルクルと巻いて、コンパクトになります。膨らます作業も慣れれば、3分程度でできるようになります。

    20160911_thermarest-neoair-xtherm_04
    膨らむとこのような形に。ふかふかで寝心地が良いです。もちろん、保温性は最高クラス。

     

     THERMAREST(サーマレスト) 寝袋 マット NeoAir XTherm ネオエアー Xサーモ ベイパー レギュラー(R) 【日本正規品】 30177
    THERMAREST(サーマレスト) 寝袋 マット NeoAir XTherm ネオエアー Xサーモ ベイパー レギュラー(R) 【日本正規品】 30177

     

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    マットの収納・パッキングについて

    Zライト ソルのようなクローズド・セルパッドはサイズが大きいため、ザックの中に収納できず、外側に括り付けることになります。

    付ける箇所に決まりがあるわけではないので、ザックの機能に応じて好きなところに付けて良いです。

    ただし、細くて危ない登山道がある場合は、マットが引っかかって事故が起こることがないように取りつけるをよく考えましょう

     

    THERMAREST(サーマレスト) Zライト ソルのパッキング・収納について
    上記の写真以外にも、紐などを別途用意して、背面や天蓋にマットを付けることもできます。

     

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