登山用シュラフ(寝袋)のベストな選び方 – 僕が使っているモンベル・イスカのシュラフを交えて説明する

    登山をしていると、テント泊に興味を持つ人も多いでしょう。

    僕もその一人でテント泊を初めて日帰り登山では体験できなかったこと、気づきがありました。

    より自然を強さ・美しさを感じたい人には、テント泊をおススメします。

     

    さて、テント泊の主要アイテムの一つにシュラフ(登山用の寝袋)があります。

    この記事では、シュラフの選び方、実際に僕が使っているモンベルとイスカのシュラフについて書いていきます。

     

    ところで、皆さんはシュラフの語源はご存知ですか?

    ドイツ語で『眠り』と言う意味だそうです。

    山の寒さから身を守り、快適な「眠り」を手に入れるためには、シュラフを選ぶ際に見るべきポイントを知っておく必要があります。

     


    春の甲武信岳ではモンベルのスーパースパイラル ダウンハガーを使用した

     

    目次

     

    シュラフを選ぶ3つのポイント

    登山のテント泊は、平地でのキャンプに比べて気象条件が過酷になります。

    また、シュラフをザックに入れて自力で運ぶため、その大きさと重量を見定める必要があります。

    シュラフを選ぶ時は下記のポイントを見ておきましょう。

     

    (1)対応温度
    これから行う予定のテント泊では最低気温は何度ぐらいになりますか?

    テント泊をしたいのは夏だけですか?

    春も秋もやりますか?

    予想される気温に対応したシュラフを選びましょう。

     

    (2)素材の種類
    ダウン、化繊、ダウンと化繊のミックス。

    それぞれの素材には長所と短所があります

    これについは後ほど書いていきます。

     

    (3)重さと大きさ
    テント泊ではザックの重さはとても重要です。

    ただし、シュラフは軽ければいいということではありません。

    機能性、利便性、価格などを見比べて適切なものを選びましょう。

     

    シュラフの対応温度は何度がいい?

    ほとんどのシュラフに『快適使用温度(コンフォート)』や、『使用可能限界温度(リミット)』が示されています。

    シュラフには直接書かれていないこともあるので、お店の人に直接聞くか、買おうと思っているシュラフのメーカーのページで対応温度を調べておきましょう。

     

    さて、なぜこのように複数の対応温度が書かれているかと言うと、寒さは人によって感じ方が違うからです。

    また、一般的に女性の方が男性よりも代謝が低いことが多く、男性よりも寒さに弱い傾向があります。

    また、体脂肪率によっても寒さの感じ方が違います

     

    初めてシュラフを選ぶ時は、自分のやりたいテント泊を考えて『快適使用温度』を参考とするのがいいです。

    自分の行きたい山の最低温度がどれぐらいになるか、調べておきましょう。

     

    気温を推測する方法として、『高度が100m上がると、0.6度気温が下がる』ということを覚えておくと便利です。

    例えば、2000mの地点にテント場があるとすれば、その海抜0m地点よりも12度低いことになります。

     

    雷鳥沢キャンプ場
    9月下旬、秋の立山雷鳥沢キャンプ場の標高は2,330メートル。最低気温は零下を下回った。

     

    「対応温度が低いものであれば年中使えるじゃん!」

    と、思う人がいるかもしれません。

     

    確かにそうなのですがその分、価格が上がります。

    また、オーバースペックだと暑くて寝つきが悪くなったり、重量が上がったりとデメリットがあります。

     

    ダウンと化繊のそれぞれのメリット・デメリット

    シュラフはそれ自体で温かいわけではありません。

    人の体から発する熱を空気の層に閉じ込めて、シュラフ内が温かくなります

    ダウンジャケットと同じ仕組みです。

     

    シュラフの素材は、大きく分けて2つあります。

     

    素材長所
    ダウン軽い
    小さくなる
    寒冷、乾燥したコンディションに秀でている
    耐久性がある
    化繊速く乾く
    濡れても温かい
    非アレルギー

     

    <ダウン素材>

    ダウンは化繊と比べると軽く、小さくなって耐久性があります

    値段は高い傾向にありますが、化繊より優れている部分が多いです。

     

    シュラフはロフト(嵩)によってその温かさが決まります。

    「ロフト=空気の層の厚さ」と思ってもらえればいいです。

     

    ダウンは化繊と比べるとロフトを長い期間に渡って保つことができます。

    そのため、ダウンは質を落とさず、製品をより長く使うことができます。

     

     

    ダウンにはフィルパワーというロフトの性能を示す指標があります。

    例えば、同じ重さのシュラフがあったとします。

    一方はフィルパワーが800、もう一方は650とします。

    その場合、フィルパワーが800の方がロフトがあり(空気の層が厚く)、フィルパワー650と比べて温かいことを意味します。

     

    「同じ重量であれば、フィルパワーの数値が高いほど温かい」

    と覚えておいてください。

    一般的に冬季のシュラフはフィルパワーが高いものが多いです。

     

    また、別の見方をすると、

    「2つの同じ温かさのシュラフがあった場合、フィルパワーが高い方が軽い」

    ということになります。

    少しややこしいですが、重要なポイントになります。

     

    ところで、ダウンのデメリットは何でしょうか?

    それは化繊と比べて値段が高いことと、水に濡れると暖かを失う性質です。

    テント内では結露などでシュラフが濡れる可能性があります。

     

    ただし、最近はダウンシュラフも表面に撥水があるものも多く、また、シュラフカバーを使用することで濡れることを防ぐこともできます

    シュラフが濡れないように、細心の注意を払いましょう。

     


    モンベルのスーパースパイラル ダウンハガーの素材表記。中綿はダウン90%、フェザー10%。ダウンもフェザーもどちらも羽毛。詳しくはWikipediaを参考。

     

    <化繊素材>

    化繊の機能面で優れている点は、水に濡れても温かいというところです

    テント泊をする場合、特に春・秋・冬などの季節の場合、テント内が結露してシュラフが濡れる場合があります。

    化繊はそのような場合でも暖かを保ちますが、ダウンは濡れると温かさを失います。

     

    また、化繊シュラフのメリットはその価格です。

    化繊はダウンよりも安い傾向にあります。

     

    デメリットは、ダウンに比べてサイズが大きくなるところです。

    同じ温かさのダウンシュラフと化繊シュラフを比べると、見た目にもすぐに分かるぐらい大きさが違います。

    また、重量も重くなります。

    予算に問題なければ、ダウンシュラフをおススメします。

     

    登山で使っているモンベルのシュラフ

     

    シュラフの重量と大きさについて

    シュラフの重量を考える時は、次の点を抑えましょう。

     

    1. ダウンは化繊より軽くて小さくなる
    2. 同じ対応温度であればフィルパワーが高いものが軽い

     

    上記を頭に入れて、予算と自分の行きたい山を鑑みて最適なものを選びましょう。

    ほとんどのシュラフは3シーズン用、冬季用と分かれているので、まずはそこを参考にしましょう。

     

    ◆関連記事
    冬季用テント泊小道具
    2泊3日テント泊登山の装備・持ち物一覧を紹介 – 春・夏・秋季(無積雪期)

     

    シュラフの手入れ・保管方法

    手入れについて

    テント泊が終わったら、シュラフを袋から出して風通しのいいところで乾かしましょう

    シュラフは寝ている間に人体から出る水分を吸収します。

    また、テント内の結露した水分を含んでいることもあります。

    そのままにしておくと、かびる原因になります。

     

    シュラフを1日ぐらい壁にかけておけば十分に乾きます。

    また、臭いが気になる場合は、ダウン専用洗剤を使って洗いましょう。

    また、ファブリーズなどの消臭スプレーをかけて乾かすのもいいでしょう。

     

    保管方法について

    シュラフは携帯用の袋に入れたままにするとロフトが失われます

    長く質を保って使いたいのであれば、使用しない時は適切に保管しましょう。

     

    スペースに余裕があれば袋から出して、そのままの状態で保管するのがいいです。

    もしくは、布製の保管袋を使いましょう。

    布袋は水分を中に閉じ込めず、シュラフを最適な状態に保ちます。

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    モンベルのシュラフ保管バッグ。ロフトが失われないように大き目に作れていて、布でできている。

     

    僕が使っているモンベルの3シーズン用シュラフ

    僕は3シーズン用シュラフにモンベルの『スーパースパイラル ダウンハガー 800 #3』を使っています。

    ダウンシュラフ モンベル


    秋の上高地テント泊に使用したモンベルの3シーズ用シュラフ


    秋の立山テント泊で使用

     

    このシュラフはフィルパワーが800、重さは600gと非常に軽く小さくコンパクトです。

    実際のテント泊では、夏季の燕岳常念岳秋の北岳、八ヶ岳、などで使いました。

     

    僕の場合、ダウンジャケット、ダウンパンツを履けば、-5度ぐらいまではこのシュラフで大丈夫でした。

    3年前に買って色々な山行で使いまいましたが、まだまだ長く使えそうです。

     

    僕が使っているイスカの冬季シュラフ

    冬季シュラフには、『イスカ(ISUKA) 寝袋 エア 810EX』を使っています。

     

    ダウンシュラフ イスカ

     

    フィルパワー800で、-25度まで対応できる厳冬期対応のモデルです

    ダウンの量も多く、重さは1320gとやや重いです。

    また、大きさもモンベルの『スーパースパイラル ダウンハガー 800 #3』の1.5倍ぐらいあります。

    その分、とても暖かいです。

     

    春の雪の積もった燕岳でも全く問題ありませんでした。

    また、零下10度を下回る冬季の八ヶ岳の北横岳テント泊赤岳テント泊でも十分に耐えられました。

    顔の部分に加えて首の部分にもドローコードがあり、温かい空気を逃さないように工夫されています。

     

    イスカ シュラフの構造


    雪の権現岳で使用したイスカの冬季用寝袋

     

    モンベル(mont-bell) 寝袋ダウンハガー800#3[最低使用温度-2度] サンライズレッド R/ZIP SURD 1121291-SURD
    モンベル(mont-bell) 寝袋ダウンハガー800#3[最低使用温度-2度] サンライズレッド R/ZIP SURD 1121291-SURD

     

     

    イスカ(ISUKA) 寝袋 エア 810EX レッド [最低使用温度-25度]
    イスカ(ISUKA) 寝袋 エア 810EX レッド [最低使用温度-25度]

     

    パッキングを楽にするコンプレッションバッグ

    シュラフはテント泊の道具の中でも、最もザックの容量を占める道具の一つです

    そんな時に便利なのが、コンプレッションバッグ

    シュラフを圧縮してサイズをコンパクトにします。また、収納方法も簡単です。

     

    僕は3シーズン用、冬季用シュラフのコンプレッションバッグを持っています。

    必須アイテムではありませんが、僕は撮影道具などザックの容量が大きくなりがちなので重宝しています。

    SEA TO SUMMIT(シートゥサミット) eVentコンプレッションドライサック

     

    ◆関連記事
    ・SEA TO SUMMIT eVentコンプレッションドライサック レビュー
    ・冬季用シュラフで使っているコンプレッションバッグ イスカ(ISUKA) の圧縮収納袋をレビュー

     

    破損に備えて持っていたいダクトテープ

    もしシュラフが破れてしまったらどうなるか。

    羽毛は飛び散り(考えただけで悲惨です)、もし寒い時期なら防寒に影響がでます。

     

    僕は今までシュラフを破損した経験はないですが、そういうことに備えて必ずダクトテープを持っていきます。

    実際にダウンジャケットが裂けた時はこれで直しました。

     

    ダクトテープはシュラフの修理だけでなく、テントが破れたとか、ザックが破れたとか、靴ひもが切れたとか困ったときに色々と役立ちます。

    粘着力がとても強く防水防風の性能を持っていますので、登山に行く時は1つ持っておくことをおススメします。

     

    SOL(ソル) ダクトテープ 12080
    SOL(ソル) ダクトテープ 12080

     

    最後に登山の防寒について注意点

    寒い山でテント泊をしようとしている人はそれなりのシュラフを選ぶ必要がありますが、それだけで防寒対策は十分ではありません。

     

    この記事で書きましたが、「登山マット」が防寒対策にはとても重要になります

    シュラフは対応温度が示されているので、間違った買い物をすることは少ないでしょう。

     

    一方、登山マットはRという特殊な値でその性能が示されているので、どのぐらいの温度まで対応できるのか分かりにくいです。

    僕もそのために雲取山で眠れないテント泊を経験したことがあります。

    シュラフだけでなく、登山マットもしっかり調べて山行に適したものを選びましょう。

     

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