雪の北横岳~大岳縦走登山 双子池冬季テント泊(1泊2日)【動画あり】
12月10日~11日に北八ヶ岳の双子池で1泊2日の雪上テント泊をしてきました。
初日は北横岳ロープウェイで山頂駅まで登り、そこから北横岳(標高2,480m)を経て大岳(標高2,382m)を縦走し双子池で幕営。
2日目は双子池から亀甲池を通り北横岳に再び登り、ロープウェイを下って帰りました。
北横岳、大岳からの眺めは最高でした!
ただ、大岳→双子池の冬季ルートはおススメしません。
かなりの悪路で危険です。詳細は後ほど書きます。
行くなら北横岳→亀甲池→双子池ルートがいいです。
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目次
コースタイム
1日目(6時間35分): ロープウェイ山頂駅(11:55)~北横岳ヒュッテ(12:45)~北横岳北峰(13:10)~大岳・双子池分岐(15:00)~大岳山頂(15:15)~大岳・双子池分岐(15:30)~天狗の路地(16:50)~双子池 雄池(18:30)
2日目(4時間25分):双子池 雄池(7:25)~双子池 雌池(7:35)~亀甲池(8:30)~北横岳北峰(10:55)~ロープウェイ山頂駅(11:50)
ロープウェイ山頂駅へのアクセス
僕は八王子から特急あずさに乗り茅野駅で下り、そこからバスで向かいました。
バスの時刻表、運賃はアルピコ交通のサイトで確認できます。
ロープウェイ駅への時刻表は季節により違いますので事前に確認しておきます。
茅野駅でロープウェイ駅の往復切符を買っておくと300円お得になります(2,200円)。片道運賃は1,250円。
北八ヶ岳ロープウェイ線(2番乗り場)から10時20分発のバスに乗り約1時間後の11時20分頃に八ヶ岳ロープウェイに着きました。
余談ですが、茅野駅からは赤岳を始めとする南八ヶ岳へ行くこともできます。
八ヶ岳ロープウェイ駅から山頂駅へは、1時間に3回、20分間隔でロープウェイが出ています。
値段は往復1,900円、片道1,000円です。こちらの北八ヶ岳ロープウェイサイトから確認できます。
10分とかからずに標高1,771mから標高2,237mの山頂駅まで行っちゃいました。
標高が上がるにつれ、ロープウェイの中から見える景色が白銀の世界に!
手軽にこんな世界に来れるのはすごいですね。
山頂駅から北横岳山頂へ
山頂駅に着いた瞬間に思ったことは、「何て寒いんだ」ということ(笑)
気温は氷点下12度ぐらいでした。
早速、北横岳に向かって歩き始めます。
この日はとても天気が良くて、青い空と白い雪の景色のコントラストがとっても綺麗でした!
歩いて10分程で北横岳への分岐があり、標識に従って左に進んでいきます。
ここら辺りから登山道に入り登り坂が始まります。とは言っても緩やかな上り坂です。
右手に縞枯山(しまがれやま)を見ながら登っていきます。
北横岳分岐の標識
ロープウェイ山頂駅を出発して50分で北横岳ヒュッテに到着しました!
小屋の前後にはテーブルとイスがあるので休憩をとることができます。
僕はここでアイゼンを装着しました。ただ、寒いので山頂駅で着けた方がいいですね。
看板の文字が可愛らしい北横岳ヒュッテ
僕はここでグリベルの12本爪アイゼンを装着しました
ここから山頂までは時間はわずかですが急な登りがあり、アイゼンがないとキツイと思います。
それにしても、北横岳は初心者でも手軽に雪山を楽しめるとあって、このとーっても寒い季節(厳冬期)でも登山客でいっぱいでした。
アイゼンを付けて歩き出してすぐに、アイゼンの刃でゲイターを切ってしまいました(泣)
ハの字の歩き方を意識して進んでいきます。
そうこうしている内に北横岳ヒュッテから10分ぐらいで北横岳の南峰に到着しました!
南の方角には南八ヶ岳連峰が綺麗に見えました!それにしても風が強かったです。
北横岳南方から南八ヶ岳方面を見る
北峰は南方から5分ぐらいの距離で目と鼻の先です。
ここからは百名山の蓼科山がどーんと見えました!
頂上は白く見えて、結構雪が積もっているようでした。
頂上は絶好の写真撮影スポットで、みなさんあちらこちらにカメラを向けていましたよ。
北横岳頂上から見る蓼科山
北横岳北峰からも南八ヶ岳が見ました!
北横岳山頂から大岳へ向かう
時刻は13時10分。大岳に向かいます。
北横岳から大岳へ向かう人は僕の他には一人もいませんでした。
トレースを見ると先行する人がいたようですが、前の人が歩いてから少し時間が経っているようでした。
下りでしたが、あまり踏まれていない雪道でなかなか進みません。
思っていたよりも時間がかかって岩稜地帯に出ました。大岳は岩々した道が有名なのですが、これがやっかいな場所でした。
雪が岩と岩の間に入り込んでいて、踏み抜きが多発(泣)
しかも結構大きな岩なので踏み抜きも深く、ここで体力をかなり使いました。
ふと見上げると真っ青な空に大岳(おおだけ)の姿が!
ちょうど大岳の上にうっすらと月が見えていて、とても綺麗な景色でした。
岩稜地帯に入ってからは雪でルートが分かりにくかったです。急がず、慎重に進んでいきました。
大岳が見えてきた!
岩稜地帯を抜け、15時に大岳・双子池分岐に到着しました。
北横岳から2時間弱の時間がかかってしまいました。この道はもう少し雪が積もってからの方がいいですね。
標識の下にザックをデポして大岳山頂に向かいます。
大岳山頂へは15分ぐらいで着きました!
ザックを背負っていないと体が軽い軽い(笑)
大岳の山頂は景色が360度開けていて、南八ヶ岳に北横岳、蓼科山、北東には浅間山が見えました!
すごくいい景色でしたが風が強かったです。
大岳山頂から北横岳、蓼科山の方角を見たところ
大岳山頂から見る南八ヶ岳。山頂の標識はエビの尻尾になっていました。
大岳山頂から見る浅間山方面の景色。展望はものすごく良い場所でした。
大岳から双子池ヒュッテへ
景色を楽しんだらすぐに先ほどの分岐まで戻りました。
デポしたザックを背負い双子池方面い向けて出発します。
実は、ここから双子池までの下りがかなり苦労しました。ここからも先ほどの道ように岩々した感じが続くのですが、その岩がでかい!
身長を優に超える高さの岩もあり、岩と岩の間の穴に落ちたり、ハマったりしたら出られそうにありません。
加えて、その穴が雪で埋まっていて、どこにトラップがあるのか見分けがつきませんでした。
周りには人が全くいませんでしたし、安全第一でストックで探り探りゆっくり進んでいきます。
また、この岩稜地帯はアイゼンでの歩行は困難を極めました。
気が付くと時刻は16時半になっており、赤い空が夕刻の時を伝えてきました。
大岳と双子池の分岐の時点準備していたヘッドライトを頭に巻いておきます。結局は想定コースタイムを2時間オーバーしたのでした。
綺麗な夕刻でしたが、双子池はまだ遠く若干の焦りが…
双子池近くになるとより雪が深くなり、踏み抜きまくりでかなり疲れましたね。
天狗の路地に着いたのが、16時50分。写真は明るめにして撮影しており、実際はもっと暗かったです。
双子池近くになると雪が深くなり踏み抜きまくりでかなり疲れました。
真っ暗な道をヘッドライトを付けて一歩一歩確実に歩いていきました。
兎に角ケガは絶対にしないように慎重に進みます。初日の幕営地の双子池には18時半の到着となりました。
明るさを最大に上げて撮影した双子池の雄池
双子池ヒュッテには先行のパーティーのテントがあり、少し安心します。
すぐにテントを張る準備に取り掛かりましたが、寒い上に暗いので思い通りにテントが張れません(泣)
どうにかこうにか30分ぐらいかかってテントを設営し、まずはお湯を沸かして水筒にポカスエットの粉とともに補給します。
お湯づくりが終わったら晩御飯の準備。
クッカーで沸かしたお湯の中にインスタントのリゾットとシチュー、家から保冷バッグに入れて持ってきた鶏肉を放り込んで煮込みます。
お腹がめちゃ空いていたのであっという間に食べ終えました。
その後はすぐに就寝。持っていったシュラフやマットなどはこちらの記事を参照。
ダウンジャケットを着て冬季シュラフに入ったので寒くはなかったですが、動物なのか何なのか、外で足音とかサワサワとした音が聞こえて夜中に幾度と目が覚めました。
双子池ヒュッテから北横岳へ登り山頂駅へ
朝の5時頃に目が覚めて外を見ると、星が綺麗に輝いていました!
ただ、ものすごく寒くて暗かったのでもう少し眠ることにしました(笑)
二度寝して起きたのが朝の6時半。
あまり、お腹が空いていなかったので朝食は行動食を軽く食べました。
グローブや靴やゲイターは凍らないようにシュラフに入れていましたが、ザックなどは凍りついていました。
足がむくんでいたのか分かりませんが、登山靴を履くのにとても苦労しましたね(笑)
また、テントも雪が張り付いていてパリパリになり、なかなか袋に入れることができず撤収に苦労しました。
たぶん30分ぐらいかかったと思います。
双子池ヒュッテ。写っているテントは先行者パーティーのもの。
そういや、今回サーモスの「山専用ボトル」を買ったのですが、コレはすごいですね。
通常のサーモスはこの寒さでは常温ぐらになっていたのに、このボトルは飲み物がずっと温かかったです。
さて、朝は7時25分に双子池の雄池を出発しました。
トレースのない気持ちのいい道を進んでいきます。
まずは、雌池の側を歩いていきます。雄池と同じく湖面は凍っていて、朝日に照らしてキラキラ輝いていました。
双子池の雌池
雌池を回り込んで亀甲池に向かいます。ここからは森の中を登っていきます。
途中で先ほど双子池で一緒だった2名パーティーに追いつかれます。
この二人も昨日は僕と同じく大岳を経由して双子池に降りてきたらしく、その悪路の話になりました。
僕は彼らのトレースがあったのですが、彼らの場合はトレースがなくて相当苦労したようでした。彼らに感謝しましたね。
倒木などを避けながら、森の道を進んでいきました。
雌池から亀甲池への道。鹿の足跡でしょうか?
登りから下りになり、軽快に歩いていきます。
双子池から約1時間で亀甲池に到着しました!
先行パーティーと北横岳から降りてきた人が凍った亀甲池の上を歩いていました。
ザックを岩の上に置いて少し休憩します。
亀甲池の背後にはこれから登る北横岳の姿
ここから北横岳へ山頂に向かって急登を登っていきます。
この道は大岳のような岩場は全くなくとても登りやすかったです!
「昨日もここを下って双子池に行くべきだったなー」と思っちゃいました。
ただ、重い荷物に固まっていない雪道はそれなりにきつかったです。
この日も天気が良く青い空が見えました
新しいふかふかの雪は歩くのが楽しいですが少しつかれます(笑)
北横岳北峰には11時前に到着しました!
亀甲池から2時間半ぐらいかかりました。
この日も山頂は人で賑わっていましたが、蓼科山、南八ヶ岳はやや曇って雲がかかっていました。
休憩はせず、すぐにロープウェイ駅に向かって下山を開始します。
帰りの道では登山客と次々と登ってきます。
この日も晴れていたので、みなさん笑顔で楽しそうに登っていました。
北横岳ヒュッテを休憩せずに通り過ぎ、どんどん下っていきます。
下りに見えたロープウェイ山頂駅
下りでは目の前に縞枯山見えます。
「今度、ここに来た時は縞枯山に登りたいな」
そんなことを思いながら歩いていたら、あっという間に山頂駅に到着しました。
時刻は11時50分分。双子池から約4時間半かかりました。
八ヶ岳ロープウェイ山頂駅から茅野駅へ
山頂駅に着いたら5分後にロープウェイが出発するのが分かり、急いでアイゼンを脱いでロープウェイへ。
バスの時間まで余裕があったので、ロープウェイの下の駅の食堂で大きなチキン定食を食べました。
この日は朝ごはんを食べておらず、行動食だけでしたのでとても美味しかったです!
ご飯を食べた後、13時5分発のバスに乗り茅野駅には14時頃到着しました。
登山後記
約2年ぶりの雪山でしたが、ものすごく楽しめました。
ただ、失敗したなと思うのは、大岳から双子池へのルートを行ったこと。
事前にインターネットで調べて、このルートはかなりの岩稜地帯と分かっていましたが想像以上でした。
特にこの時期は雪がきちんと付いておらず(1、2月に積もるかは僕は分かりません)、とても歩きにくかったです。
また、アイゼンを外そうにも滑るので外せないけれども、付けたままだと岩の道はとても歩きにくかったです。
また、岩の間に雪が積もっていてハマると出れそうにないような場所がいくつもありました。
たぶん大きな岩と岩の間にハマるとこの季節は雪で滑って脱出は難しいでしょう。
そんなルートでしたのでストックで雪を叩いて慎重に進んだのですが、岩と岩の間を飛び越えなければいけない場所もありました。
重いザックにアイゼン履いて大きな岩を飛び移る。
しかも滑ることは絶対に許されない… かなりの悪路でした。
そのため、テント場に着いた頃にはすっかり日が暮れていました。反省ですね。
次に三ツ池で冬季テント泊をするとしたら、北横岳から亀甲池を下っていきます。
あそこの道は岩場がなく歩きやすかったです。
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