宮城公博「外道クライマー」が面白過ぎた
販売当初から気になっていたけれど、なかなか手をつけなかった本がありました。
宮城公博さん著の「外道クライマー」です。
一昨日から読み始めると、面白くて一気に読み終えちゃいました。
色んな要素がつまったこの本ですが、何より魅力的で面白いのは、宮城さんという人物そのものです。
反骨精神にあふれた、まさに野生児。
それでいて繊細な面も見せるまさに不思議な男です。
本の始めは、和歌山の那智大社が神聖視する133メートル那智の滝を登って逮捕される話から始まります。
インパクトありすぎです。
それから、日本一の滝の冬季登攀。台湾の超絶的な沢登り。
そしてタイの未知のジャングルを川に沿って進み、時には死にかけて約50日歩く冒険的行為。
登山・沢登りの内容もすごいのですが、文章が面白くて引き込まれます。
かなりふざけた、おバカで笑える言葉があるかと思えば、繊細で心をつく言葉があったり。
魅力的でそれでいて、二癖ぐらいある不思議な文章です。
クライマーと題についていますが、彼は沢登りを愛する沢ヤであります。
沢登りは山を川に沿って遡行するスタイルで、同じ山登りでも登山とは装備も技術も違います。
そもそも登山では「道に迷っても沢には近づくな」という言葉があるくらい危険がいっぱい。
滑るし、滝があるし、下は岩・石だし素人にはかなり危険です。
そんな沢ヤに誇りを持ったスタイルは、自分では無理でも、
「この文章をもっと読んでいたい」
そう思わせる本でした。
是非、また本を書いてほしいです。
外道クライマー