ヤッケって何? テルモスとサーモス。登山用語について調べてみる
最近、登山本をよく読むのですが、よく出てくる単語があるんですね。
それは、ヤッケ。
羽根田治さんの本に度々この単語が出てきて、特に調べていなかったのですが、頭の片隅で気になっていたのでした。
前後の文脈から判断すると、おそらくアウターみたいなもの?
最近は聞かない言葉なので「昔の登山用語なんだろうな」と、何となく思っていました。
調べてみると、ヤッケ(jacke)はドイツ語でジャケットという意味だそう。
登山用語でヤッケはウィンド・ブレーカーを指すのだそう。
最近だとウィンド・ブレーカーっていう言葉もあまり使わず、ハードシェルと言うことが多いような気がします。
登山用語はドイツ語が由来のもの多いのですが、ヤッケもその一つと言うわけです。
幾代か前の世代の方々は、ハードシェルのことをヤッケと呼んでいる(いた)みたいですね。
テルモスとサーモス
ある日、知人と話していてテルモスの話になりました。
ちなみ、テルモスは魔法瓶で登山には欠かせない水筒です。
また、登山用途でなく普通に水筒としても人気があります。
僕が「テルモス…」って連発していたところ、知人に「あれは、サーモスって読むだよ!」
と言われて、「何!僕は今まで間違っていたのか!」とかなりのショックを受けたのでした。
確かにTHERMOSのホームページを見ると、サーモスと書かれています。
公式ページがサーモスと言っているのだから、間違いないだろう。そう思っていました。
しかーし、それからしばらく経った登山をしていたある日のこと。
前を歩く人の口から「テルモスがうんたら」と言っているのが聞こえてきました。
「それはサーモスって読むんだよ」と、心の中で一人にんまりしていたのですが、そこでピンと来たのです。
「テルモスはドイツ語なんじゃないか。そして登山用語なんじゃないか」と。
日本の登山用語にドイツ語が多いのは知っていたので、
「THERMOS = テルモス」 これは、ドイツ語!
と思考回路が周り、それはビンゴでした。
テルモス(サーモス)のホームページの中にその歴史について書かれているページがあります。
もともとは、テルモスは1904年にドイツで考案されたもので、ギリシャ語の「暑熱・夏の意」を意味するそうです。
僕は登山本とか、登山友達との会話でその水筒のことをテルモスと呼ぶこと多いので、自然とそれをテルモスと呼んでいたのかもしれません。
一方、登山をしない人は通常通りサーモスと呼んでいるのだろうと推測されます(検証はしていませんが)。
ドイツ語の登山用語の怪
「なんで日本の登山用語にはドイツ語が多いんだ!」
これについては調べてみましたが、明確な答えを見つけれられませんでした。
今度、本格的に調査しようと思います。
ウィキペディアの登山用語一覧によると、下記の用語はドイツ語が由来らしいですよ。
- アイゼン
- ピッケル
- カラビナ
- カール
- コッヘル
- ザイル
- ザック
- シュラフ
- ストック
- ツェルト
- ハーケン
かなり、多いです。
特に登山道具はほとんどドイツ語ですね。
ストックは完全に英語だと思っていましたが、英語ではスティックですね。
ちなみに、ページを見てるフランス語もいくつかありますね(ビバーク、デブリ)。
ザックはドイツ語のRucksack(ルックザック)から来ています。
そして、聞きなれたリュックサックという言葉は、ルックザックが変化した日本語です。
新田次郎のエッセイを読むとルックザックという言葉で書かれています。
昭和のある時代までは、ザックではなくルックザックという言葉が主流だったのでしょうか。
ますます気になる、なぜドイツ語由来が多いの?
フランス語もあるし。
とても興味深いです。
実用 登山用語データブック (山岳大全シリーズ)
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