羽根田治の気象遭難を読んだ
羽根田治さんのドキュメントシリーズ。
前に読んだ遭難シリーズに続いて、気象遭難を読みました。
遭難の季節を春・夏・秋・冬と分けて事例を紹介しています。
春の谷川岳の雪崩や、秋の立山の凍死、剣岳の異常降雪など書かれています。
この本の特徴的なのは、伊那前岳の突風と塩見岳の落雷の事例ですね。
気象遭難と聞くと、雪や雨や強風というのは思い浮かんだのですが、突風や落雷はあまり気に留めていませんでした。
突風や落雷の山岳事故というのは、具体的な事例とその内容を知ったのは初めてで、こんなことが起こりうるのかと勉強になりました。
羽根田さんの遭難本のいいところは、遭難までの経緯・内容がインタビュー含めて詳しく書かれているところです。
本を読むと遭難の疑似体験ができるので、
「あの山行はあそこが危なかったかもしれないな」とか、
「明日行く山は、この辺りが危ないかもしれない」
などと言うように、自分の登山経験と照らし合わせて反省をしたり、知識の拡張・別の視点から推測・考察みたいなものができます。
これがいいところですね。
雪崩対策本とか気象の勉強ももちろん必要なのですが、こういう体験記を読むと自分の登った山の事例も出てくるので、より遭難が自分事になるので危機意識が高まります。
仕事と同じように慣れてきた頃にポカミスをやってしまう。
仕事だったらやり直しがきくけど、登山の場合は取返しが付かない事態になる可能性もあるので、初心を忘れずにいこうと思いました。