登山のパッキングのコツ – 重いものは背中側・袋を使った工夫

登山のパッキングは一度コツをつかめば難しくありません。
日帰り登山でも、テント泊でも基本は同じ。
4つのことを覚えるだけである程度パッキングはできるようになり、重い荷物も背負えるようになります。
そこから応用となると袋(サック)やポーチなどを使った工夫が必要です
 
パッキングが上手くできるようになると、歩行時のバランスが良くなり疲れにくくなります。
特にテント泊の場合、テントや寝袋、衣類に食糧と荷物が増えるのでパッキングの技術を身に着けるのは必須です。
この記事では登山のパッキングについて基本~応用まで詳しく書いていきます。

目次

  • パッキングの4つの基本
    • ザックの「下部」に入れるもの
    • ザックの「背中側」に入れるもの
    • ザック中部の「外側」に入れるもの
    • ザックの「上部」に入れるもの
  • ポケットの使い方
    • 上部のポケット
    • ウエストベルトのポケット
    • サイドポケット
    • その他ポケット
    • 2気室は使わない
  • パッキングの応用と工夫
    • すべての荷物をサック・ポーチに収納する
    • 食料のパッキング
    • 小道具のパッキング
    • 圧縮袋・コンプレッションサックを使う
    • ミニサック・ポーチを活用する

 

パッキングの4つの基本

4つの基本は次のことです。

  1. あまり使わないものは下部に
  2. 重いものは背中側に
  3. 軽いものは背中から離れたところに
  4. よく使うものは上部に

 

 
(1)ザックの「下部」に入れるもの
ザックの下部にはあまり使わないものを入れます。
例えば、テント場でしか使わない次のようなアイテムです。

 
(2)ザックの「背中側」に入れるもの
背中側には重いものを入れます。
そうすることで歩行時の重心移動が安定してふらつくことが少なくなり、余計な体力を使わずにすみ、疲れにくくなります。
例えば、次のようなアイテムをここに収納します。

 
(3)ザック中部の「外側」に入れるもの
外側(背中から離れたところ)には軽いものを入れるといいです。
僕は外側の下部にテント、上部には予備の衣類などを入れています。

  • テント(ポールを除く)
  • マット(エアータイプの場合)
  • 予備の衣類
  • トイレットペーパー

 
(4)ザックの「上部」に入れるもの
ここには使用頻度の高いもの、何か合った時にすぐに取り出したいものを入れるといいです。

 
夏場は水分を多くとるため、水筒を入れてもいいでしょう。
冬場はアイゼンを入れておくと、必要な時にすぐに取り出せます。
 
以上、パッキングの4つの基本を説明してきました。
ここまではあくまで基本です。
 

 
天気予報が快晴なら、レインウェアーはザック下部に入れてもいいです。
すぐにご飯の予定なら、上部にクッカーや食料を置いてもOK。
 
大事なことは、

  • 必要な時に必要なものがすぐに取り出せること
  • 動いた時にバランスが取れること

です。
 
動いた時・歩行時にバランスを取るためには、ザックの背中側に重いものを入れ、左右の重さが均等になっていなければなりません。
これを事前に確かめるのは簡単です。
家でパッキングして、ザックを背負ってみて、体を左右に振ってみましょう。
体がよろめくなら、荷物を入れる場所を修正しましょう。
 
 
さて、次はザックのポケットの使い方について簡単に触れます。
それから、パッキングの応用について説明します。
 
登山をしたことがある人ならお気づきかもしれませんが、うまくパッキングできたと思っていても、どこに何があるか分からなければ上手にパッキングできたとは言えません。
そう、登山は細かいものもいっぱい持っていくので、整理できていないとザックの中身をすべてひっくり返すことになります。
僕も最初はそのような状態でした(笑)
 

ポケットの使い方

ここは行動中に必要なもの、すぐに取り出したいものを入れておきましょう。
僕は下記のようなものを入れています。
 
上部のポケット
ここには財布、鍵、予備の行動食、本などを入れています。
本は持って満足して、あまり読んだことはありません(笑)
タオルや手袋など使用頻度が高いけれど他のものが汚れると困る場合は、ここには入れないようにしています。
 
ウエストベルトのポケット
ここは行動食一択です。
最近のモデルはスマホが入れられるように、大きなポケットになっていて便利そうです。
 
サイドポケット
ここには水筒、テントのポール、マップケース、ストックを入れています。
本格的にカメラで撮影したい場合は、三脚もここに。
 

テントのポールの収納袋・マップケースの紐をサイドのコンプレッションベルトに通して落ちないように工夫
 
その他ポケット
背中にポケットがある場合は、手袋やオルなどの軽くてよく使う物を。
サイド上部のポケットにはゲイター、レインカバーなど何かあったらすぐに取り出したいものを入れています。
このあたりのポケットはザックによってはない場合もありますね。
 
2気室は使わない
ザックによっては下部が2気室構造になっているものがあります。
僕の持っているグレゴリーのバルトロなんかもそうです。
 
最初の頃は目新しさもあって、使おうとしていましたが途中から止めました。
2気室にするとザックの中に隙間ができて荷物が動きやすくなり、返ってバランスが悪くなります。
最初は試しに使うのもありですが、そのうち2気室は使わないことになるのではないでしょうか。
 
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パッキングに正解はありません。
ザックによってその形状は違いますし、内部の広さも違います。ポケットの設置場所も違うでしょう。
また、季節や天気、持っていくものによっても、そのやり方は変わるでしょう。
色々と工夫をして、自分にしっくりくる方法を見つけるのがパッキングの面白いところです。
 

パッキングの応用と工夫

さて、ここからはパッキングの応用について書いていきます。
内容は、袋(サック)やポーチを使ったグッズの整理整頓の方法・工夫についてです。
 
僕がパッキングの工夫を始めたのは、テント泊を始めて1年が過ぎた頃でした。
「早くやっておけば良かった。損してたな」と思いましたね。
 
これができると、テント場で必要なものをすぐに探し出せます(もちろん日帰り登山にも有効です)。
また、撤収が容易になる、狭いテントでも快適に過ごせるなどいい事ずくめです!
 
すべてをサック・ポーチに収納する
まずは写真を見てください。

 
このような形でサックに荷物を整理するとパッキングも簡単ですし、テント内も広く使えるようになります。
僕は下記のように細かいものは、グッズごとに分けて整理しています。
 

  • 衣類サック(予備の衣類、ダウンウェアー)
  • 食糧サック(ご飯、予備の行動食、溶かす飲み物)
  • その他サック(トイレットペーパー、細引きなど滅多に使わないもの)
  • 小道具ポーチ(ファーストエイドキット、予備の電池、ランタンなど細かいグッズ)

 
サックの中のものも、さらに袋に入れて整理することがあります。
こうすることで荷物が散らばらず、どこに何があるか分かりやすくなりまし、テント内の快適さがまるで違います。
 
食料のパッキング
食料は下の写真のように、ご飯、予備の行動食、溶かすタイプの飲み物と3つに分けます。
それらをさらに細かくサックにまとめます。
 

それぞれ透明の袋に分けます。ジップロックが便利。

さらにそれらを一つのサックにまとめます。
 
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食糧の紙のパッケージなどは余計なゴミになります。
持って行く前にパッケージから出しておきましょう。

 
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小道具のパッキング
小道具はトラベルポーチで整理しています。
これを使えば、細かいものでもすぐに探し出せます。
 

ポーチの中身は細かいグッズ。

それもこのポーチ一つに収納すれば、どこに何があるか把握が簡単に。
 
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きちんと整理ができると、必要なものが必要な時に取り出せます。
テント泊の場合は、テント内も快適に。
 
テント泊で僕が実践していること、サックをすべてザックから取り出してテント内に出すこと。
サックにまとまっているので荷物も散らばることはなく、ザックが小さくなってテント内を広く使えます。

サックをテントのサイドに並べます。ザックも小さくなり、小さなテント内も広く使えるよう。
 
圧縮袋・コンプレッションサックを使う
最近シュラフの圧縮で使ったのですが、これはすごく便利です!
シュラフって道具の中でも最も容量を使いますよね。
そこを小さくできるのはでかいです。
 
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◆関連記事
SEA TO SUMMIT eVentコンプレッションドライサック レビュー

 
ミニサック・ポーチを活用する
すべてをザックに入れるのではなく、体に付けるタイプの小さいサック・ポーチを有効活用するのも手です。
僕はカメラ、ビデオカメラを使って撮影をすることが多いので、ミニサックに撮影機材、予備の電池などを入れています。
 

 
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冬季のパッキング方法について

冬季はさらに荷物が増えます。
アイゼン、ワカン、ピッケル、マットも厳冬は2つ持って行くことも。
ザックが小さい場合は、外側に紐を使って荷物を括り付けることも検討しましょう。

ワカンを紐で括り付けて、天蓋にも紐でジャケットを挟みこんだところ。荷物が引っかかったり、落ちないように細心の注意が必要になります。

ワカンとスコップはアタックザックに入れて、それを天蓋と本体の間に挟みこんだところ。
 
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以上、パッキングについて説明してきました。
工夫を重ねて、自分なりのベストなパッキング方法を見つけてください。
 
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