登山リュック(ザック)の使い方・調整方法を説明する


せっかく登山リュックを買っても、正しい使い方・調整方法を知らなければリュックはその性能を発揮できません。
僕の登山仲間は登山を始めて1年以上、ロードリフターの使い方を知りませんでした。
教えてあげると、「全然、違う!」と、とても感動していました(笑)
そんなことがないように、基本を押させておきましょう。
 
締め上げるベルト・ストラップは次の4つで、この順番で調整していきます

  1. ヒップベルト
  2. ショルダーベルト
  3. ロードリフターストラップ
  4. チェストストラップ

 
ベルト類(ヒップベルト、ショルダーベルト)は、加重を支えるための機能となります。
ストラップ類(ロードリフターストラップ、チェストストラップ)は、リュックを体にフィットさせ、安定した歩行を実現する機能です。
 
まず、リュックを調整する前にすべてのベルト・ストラップを少し緩めましょう。
家で練習する際は、ペットボトルなどを入れて3-4キロの重さになるようにしておきます。
各ベルト・ストラップの説明については、こちらの記事を参考にしてください。
 

1.ヒップベルト


最初はヒップベルトを締め上げます。
ヒップベルトの位置はお尻より上で、ヒップベルトの下部がちょうどお尻の上に引っかかるようにしましょう。
 
ヒップベルトを締め上げて手を放してみましょう。
お尻の上にリュックが載っている感覚があればOKです。
もし、ヒップベルトがお尻の位置まで下がらないのであれば、ショルダーベルトをもう少し緩めてみましょう。
 
ヒップベルトのバックルは体の中心に合わせます。
自分自身で確認は難しいのですが、こうすることでリュックが背中に対して真っすぐ、中心に寄ります。
 
登山リュックの加重のほとんどはこのヒップベルトで支えます。
腰でリュックの重さを支えるイメージです。この点が街用のリュックと違うポイントです。
リュックの重さの「8割」ぐらいがヒップベルトに乗っかるように調整していきます。
 

2.ショルダーベルト


次にショルダーベルトを引きます。
少し肩に負担がかかる程度にベルトをぐいっと引っ張ると、リュックが体に寄ると思います。
 
「少しだけ」ベルトを締めるというのがポイントです。
前項目で書いたように、登山リュックの加重の8割を支えるのはヒップベルト。
 
ショルダーベルトは、リュックの「2割」の重さが肩に載るイメージで調整しましょう。
ヒップベルトで加重を支えることで、長時間疲れることなく、安定して歩行することができます。
 
もし、ショルダーベルトが浮いているようであれば、ヒップベルトの位置が高すぎるので調整します。
ヒップベルトの位置を調整してもショルダーベルトが浮くようであれば、リュックの大きさがあなたの体に合っていない可能性があります。
 

3.ロードリフターストラップ


次のステップでは、ロードリフターストラップを引っ張ります。
リュックと背中上部がくっつき、体にリュックがフィットするのが分かると思います。
ストラップは締め過ぎず、リュックが背中に寄ればOKです。
 
ロードリフターストラップは街用のリュックには付いていないので、その機能が理解しづらいと思います。
試しに、ロードリフターストラップを緩めた状態で体を左右に揺らしてみて下さい。
 
リュックが背中を擦れて、左右に揺れていることが分かると思います。
この状態だと体の重心が安定しません。
 
登山中は体が上下左右と頻繁に動きます。
ロードリフターストラップを締め上げることで、肩の負担をやわらげ、また、フィット感を高めることによってリュックが揺れるのを防いで安定して歩くことを助けてくれます。
 

4.チェストストラップ


最後に締めるのはチェストストラップ。
ショルダーストラップを内側引き寄せ、フィット感をさらに高めます。
 
チェストストラップの位置を上下に動かして、違和感のない自分にベストな位置を見つけましょう。
また、チェストストラップは締め過ぎず、ショルダーストラップがずれない程度になっていればOKです。
 
 
これで4つのベルト・ストラップを締めました。
最後にきついと感じるベルト・ストラップを緩めて調整しましょう。
 
特にショルダーベルトはきつく締めすぎると、肩や首回りに負担がかかって疲れます。

  • ヒップベルト:8割の重さ
  • ショルダーベルト:2割の重さ

この点を覚えて調整しましょう。
 
調整が終わったら、体を上下左右に振ってみましょう。
リュック重さを腰で感じ、リュックが体にフィットしている感覚があれば大丈夫です。
 
登山中に衣服を脱いだり、お昼休憩後にお腹が膨れたりするとリュックのフィット感が変わってきます。
その都度ベルト・ストラップを調節しましょう。
 
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