登山の歩き方のコツ・疲れにくい歩き方 – 肝心なのは歩き始めの20分


最初はなぜなのか分かりませんでした。
先ほど挨拶がてら抜き去った高齢のお年寄りの方。気がついたら前にいる…
また、抜かしたと思ったら休憩中に追いつき追い抜かれ、先に山頂でごはんを食べているではないか(笑)
 
齢は70前後。歩くのはそんなに早くない。
急登でも余裕の笑顔で挨拶。息も切れていないし、全然疲れていないみたいだ…
 
登山を始めたばかりの頃、このような体験をした人は多いのではないでしょうか。
僕もその一人です。
 
 
登山のベテランの方は、山登り歩き方のコツを心得ています。
そのため、登山初心者の体力のある若者よりも、山頂に着くのが早いなんてことは良くあります。
 
そう、山の歩き方にはコツがあります。
それは登山を重ねるごとに体得していくことができます。
 
それでも、ある程度その歩き方のコツについて知っていれば、疲れにくくなります。
この記事では、「登山の歩き方のコツ」や「疲れにくい歩き方」について書いていきます。
 

目次

 

「最初の20分」はゆっくりと自分のペースで歩く

最初の20分は、ゆっくりと自分のペースで歩きましょう。
「ゆっくり」と言うのが肝です。
 
普段街中と同じようなスピードで歩き始めると、背負っている荷物が重いためにオーバーペースになります。
すぐに疲れて歩くのが嫌になっちゃうでしょう。
 
出だしは、「こんなに遅くていいのか」というぐらいのスピードで20分歩きます。
20分経つと呼吸も安定してきて、歩くリズムができてきます。
体力的に余裕があれば歩くペースを上げていきましょう。
 
最初の20分をオーバーペースで歩いちゃうと、呼吸が乱れてきます。
歩くリズムが作れず、休憩の回数も増え、焦りも出てきます。
 

 
「最初はゆっくり歩くんだ!」
この意思が大事です。
 
学生の頃の長距離走を思い出してください。
ピストルが鳴り、自分より足の速い人にペースに合わせちゃうと、途中で体力的にきつくなって歩いちゃいますよね。
その内、ノロノロ走ってきた後方の人に抜かされることになります。
 
登山も同じす。
周りの人にどんどん抜かされるかもしれませんが、気にしない気にしないで下さい。
自分のペースでゆっくりと歩いてください。
周りに流されて自分のペースで歩けていないと、途中でばてちゃいますよ。
 
グループ登山している場合は、自分がオーバーペースだと感じたら、リーダーに歩くスピードを落としてもらうように声をかけましょう。
結果的にその方が早く山頂に着くでしょう。
 

ジグザク歩行で登り下りする

次は山を歩くテクニックを紹介します。
それは、ジグザク歩行です。
 
下記の急な登山道の画像を見てください。
左が疲れる歩き方、右が疲れにくい歩き方になります。

 
左の様に一直線に登っていくと疲れます…
一方、右のようにジグザクに登っていくと、疲れにくくなります。
 
これは、使う脚の筋肉に起因します。
急な坂を登る場合、「速筋」と呼ばれる筋肉を使います。
速筋は大きな力を生み出しますが、披露しやすく持続力がありません。
 
ジグザクに登ると歩く距離は長くなりますが、歩く傾斜が緩くなります。
傾斜が緩いため、「遅筋」と呼ばれる筋肉を使うことができます。
遅筋は大きな力を生み出せませんが、疲れにくく持続して筋肉を動かすことができます。
 
陸上競技で言うと、瞬間的なスピードが必要とされる100M走などの短距離走は速筋を使い、長時間を走ることが要求されるマラソンは遅筋を使います。
 
登山は長時間に渡って坂を登り下りすることが求められます。
マラソンと同じように遅筋を上手く使うことで、疲れにくく長い時間を安定して歩くことができます。
 

ジグザク歩行を意識して道を歩こう
 
登山道で疲れやすいのが、段差の大きい階段です。
僕が良く行く神奈川県の丹沢の山ではよく見かけます。
 
登山道の整備のために作れている階段ですが、その段差が大きいと速筋を使うために疲れてしまいます。
そんな階段が多い登山道でも、工夫すればジグザク歩行ができます。
下の画像を見て下さい。

 
敢えて、階段の端っこを歩くとジグザク歩行ができることがあります。
こういう歩き方をすると、階段が長く続く登山道でも疲れにくく、また筋肉痛にもなりにくいです。
 
さて、ジグザク歩行は登りだけで使うわけではありません。
下りでもジグザグに歩くことで筋肉への負荷が減ります。
 
下山時に「脚が笑って歩けない」何てことも少なくなります。
また、膝を傷めることを防ぐにも効果的な歩き方です。
 

下りでもジグザク歩行を意識しよう
 
登山を始めたばかりの頃は、どこでジグザク歩行をするのか、できるのかが分からないと思います。
そんな時は、山慣れした人の後ろを歩かせてもらいましょう。
他人の歩き方を真似するのが、歩き方の上達には役立ちます。
 
個人的におすすめなのは、「高齢で単独の登山者」の歩き方を見ることです。
このような方は、体力が落ちているけれども急な道でも無理なく歩けちゃう、登山道の歩き方をマスターしているベテランの可能性が高いです。
 
そのような方の少し後ろを歩いてみて、どのような歩き方をしているのかを見ると勉強になるでしょう。
 
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下山時に足が震える理由&膝を傷めない対策
 

小さい歩幅で歩く


 
小さい歩幅で歩くことも、疲れにくい歩き方の基本です。
特に急な登りや下り時には、通常の歩幅で歩くとパワーがいります。
つまり、速筋を使うことになるんです。
 
そんな時、歩幅を小さくして歩いてみてください。
スピードは若干落ちますが、脚の負担が減っていることが感じられます。
 
急な登り下りでは歩幅を小さく、平坦になったら通常の歩幅で歩くように意識しましょう。
小さなことですが、これが長時間歩くコツの一つです。
 

お尻の筋肉を意識して使う

ここから3つの上級テクニックを紹介します。
一つ目はお尻の筋肉の使い方について。
 
ジグザグ歩行についての説明で、遅筋を使うと疲れにくいというお話をしました。
お尻の筋肉は遅筋の割合が多いため、上手く使うとより疲れにくくなります。
特に登りに有効です。
 
ただ、このお尻の筋肉を使って歩くというのはなかなか難しい。
最初はそのコツが分からないでしょう。
 
まずは、坂を登っている時にお尻に手を当ててみましょう。
筋肉がどう動いているか感じ取れるはずです。
そうすると、お尻の筋肉を意識して歩けるようになってきます。
 

右足と同時に右手を前に出す

これも急な登りに有効なテクニック。
普通に歩くと、右足を出すと左手が前に出ますよね。
急なの登りの場合、右足を前に出す時は時は右手を前に、左足を前に出す時に左手を前に出します。
 
このように歩くことで、体のブレが少なくなり体の疲労が軽減されます。
嘘のような話ですが、実際にやってみるとその効果が分かります。
 
また同じ要領で、右足を出した時にその太ももに右手を置き、右膝を伸ばす時に右手で太ももを押すようにして上体を引き上げるにようにすると、より一層急な登りが楽になります。
 
この歩行方法は、急な道などゆっくり歩く時に使いましょう。
歩行スピードが上がった時にこの歩き方だと、歩くバランスが悪くなり危険です。
 

腕組みをして歩く

これはテント泊など、荷物が重い場合に特に有効な方法です。
腕を組むことで上体のブレが少なくなり、ショルダーベルトから肩にかかる負荷を幾分か軽くしてくれます。
 
また、腕を動かさないことで脚の動きに集中できます。
そうすることで、体のブレが少なくなり無駄なパワーがいらなくなります。
これは長時間歩く登山には重要なことです。
 
この歩き方は、転倒時にすぐに手を使えないおそれがあります。
細い危険な道や、急な下り坂では控えましょう。
 

下りは脚の筋肉が疲労するためトレッキングポールを使う


 
最後にトレッキングポール(登山用ストック)についてお話します。
トレッキングポールは登りでも役立ちますが、下りではより重要なアイテムになります。
 
登山は下り時に転倒が起こりやすく、また膝を壊す場合もあります。
その原因は、下山に使う脚の筋肉は普段の生活ではほとんど使わないからです。
そのために疲労しやすく、筋肉痛にもなりやすいのです。
 
そんな時に重宝するのがトレッキングポールです。
この道具を上手く使うことで、下山時の筋肉疲労を抑えることができ、転倒や膝を傷めることを防ぐことができます。
 
ただし、ストックは高価なアイテムなので、最初から購入する必要はありません。
膝が悪い場合は、買った方がいいと思いますが…
登山にはまってきて、長距離を歩くことが多くなってきたら購入を検討しましょう。
 
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