登山では汗をかき、上に登るにつれて気温が下がり、強風が吹くこともしばしば。
この記事では登山を初心者向けの基本的な服装の知識、レイヤリング(重ね着)、素材・機能性について書いています。
登山では気象条件、運動(登り下り・休憩)により、体温が上がったり下がったりします。
レイヤリング(重ね着)を適切に行うことで体温を適切に調整し、体調を崩すことを防ぎます。
レイヤリングは、服の着脱・ジッパーの開閉が容易な上半身で行い、基本は3層レイヤリングです。
登山中は山の気温、運動・休憩の状況により適宜レイヤリングを調整しましょう。
どこで何を着るのかという決まりはありません。「暑くなったら脱ぐ、寒くなったら着る」ことを繰り返します。
大切なことは面倒くさがらずにやるということです!
登山を何回か経験し、自分でレイヤリングをやりくりすると自分なりの調節術が出来上がってくるでしょう。
レイヤリングについて詳しくは次の記事を参考にしてください。
登山のレイヤリング(重ね着)の基本
登山のベースレイヤー(アンダーウェアー・下着)の選び方
登山では「動」と「静」が交互に起こります。
山を登っている時(動)は体温が上昇し、昼食・休憩、ゆるやかな道を歩いている時(静)は体温が下がります。
汗で服が濡れるとどんどん体温が下がっていき、強風下では低体温症のリスクが高まります。
登山で怖いのは体温が下がること。
人間は体温が下がると体の機能に不具合が生じます。
登山服に、ポリエステルのような「化学繊維」を選ぶ理由はここにあります。
化学繊維は汗を吸収してもすぐに発散するので、肌が濡れて体温が下げることを防ぎます。
さて、ここからは登山の服装について説明していきます。
まずは夏の登山から。2つのスタイルを紹介します。
夏はとにかく暑い!
そんな時は半袖Tシャツ、ハーフパンツのスタイルが快適です。
「半袖Tシャツも綿しかないよ!」
という方は必ず着替えを持って行き、汗で濡れたら着替えるようにしましょう。
丈の短い服装は日焼けし、植物や岩によって擦り傷ができる可能性があります。
長時間の登山になる場合、日焼けは体調不良の原因になりますので「日焼け止めクリーム」を塗って下さい。
SPF50+のような、SPF値が高め日焼け止めクリームがおすすめです。
また、登山の日焼けで一番痛むのは首回りには、タオル巻くなどして対策しましょう。
登山では、暑い夏でも長袖Tシャツにロングパンツを履くことが多いです。
主な理由は上で書いたように日焼け・怪我の対策です。
また夏の高山では気温が低いため、長袖・ロングパンツスタイルが最適です。
後ほど紹介しますが、夏の場合でもレインウェアは必ず準備しましょう。
レインウェアは雨から身を守るだけなく風を防ぐこともでき、低体温症のリスクを大きく減らすことができます。
靴下は厚みがあるものがおすすめです。
登山は荷物が重くなり、足の裏にかなりの負担がかかり疲れます。
靴下に厚みがあるとそのクッション性によって負担が軽減されます。
登山用の靴下はメリノウール素材のものが快適です。
汗をかいても冷たくならず、臭いも抑えられます。
足先は汗をかきやすいので、僕はお昼休憩時は靴と靴下を脱いで足先・靴下を乾かします。
足先が汗で濡れると皮膚が柔らかくなり、靴擦れの原因になります。汗がひどい時はお昼休憩時に靴下を履き替えることをおすすめします。
僕のメインの靴下はフィッツとスマートウール。
肌触りが最高で、靴下専門のメーカーだけあって、足を靴下に通した瞬間に上質であることが分かります。
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僕の日帰り登山の「持ち物・装備」を詳しく写真で紹介する
おススメの登山の靴下は「フィッツ」と「スマートウール」
「登山靴」は日帰りで標高が低い山(例:高尾山、丹沢の大山)、トレッキングレベルの山であれば普通の運動靴でも問題ありません。
ただし、普通の運動靴は「防水性能」がないものがほとんどです。
川を渡るような登山や、前日に雨が降って道がぬかるんでいる可能性がある場合は、そのような靴は不向きです。
また、岩場がある山は「足を保護する」ために登山靴・トレッキングシューズを履いて行きましょう。
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登山靴のベストな選び方 – 山行内容に合わせて靴を選ぼう
夏の高山では防寒対策が必要になります。
標高0メートルの気温が30度の場合、標高3000メートルでは気温が12度となります!
夏の標高が高い山に登る場合は気温が低くなるので、服装は春・秋と同等レベルのものを用意する必要がでてきます。
春・秋は気温が下がりますので、基本的にレイヤリング(重ね着)を行います。
ベースレイヤー(直接肌の上に着るもの)は長袖のものを選びましょう。
ベースレイヤーの上に着る代表的なものにフリースジャケットがあります。
適度に体温を保ちつつ、汗を放出して肌を快適な状態に保ちます。
5月、9月の山となると、気温が10度台になることはざらです。
事前に山頂がどれぐらいの気温になりそうかを調べ、必要に応じて保温性の高いベースレイヤーや、タイツなどを準備しましょう。
靴下、登山靴については夏と同じもので問題ありません。
山の気温を調べるには…
「てんきとくらす」というサイトは、日本全国の山の天気予報が一週間前から確認でき、山頂の気温も確認できるので便利ですよ。
パタゴニアのRフリース
僕が使っているフリースジャケットはパタゴニアのRシリーズ。
値段は結構しますがフリースジャケットとして評価はとても高く、10年ぐらいは使える丈夫さもあります。
登山を本格的に始めようと思う方は、一度その着心地を試してみてください。
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登山で使っているパタゴニアのR1・R2フリースジャケットを比較レビュー
登山で使っているパタゴニア製品をまとめて紹介する
春・秋の高山となると厳しい天気になることもあります。
それから、同じ春でも4月上旬と5月末では「気象条件」、「登山道の状態」が全く変わってきます。
4月中は3,000m級の山ではまだ雪が積もっていますし、10月には雪が吹雪くこともあります。
これから登ろうとしている山が、積雪期なのか無積雪期なのかを確認して服装を考えましょう。
積雪期の場合は冬季登山の服装が必要にります。
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インサレーションウェア(防寒着)の選び方
最後にレインウェアとあると便利なアイテムを紹介します。
登山においてレインウェアは防護服と考えてください。雨や風から身を守るとても重要な道具です。
低山やハイキング程度の山でも、レインウェアは必ず用意しましょう。
レインウェアは上下で分かれているセパレートタイプものにしましょう。
[ミズノ] アウトドア ベルグテックEXストームセイバーVレインスーツ
山で風雨にされされた場合、レインウェアやカッパないとどうなるか想像しにくいですよね。例えるなら、冷水を全身に浴びて冬にランニングをするようなものです。
こう考えると、レインウェアがないとどうなるか分かりますよね。怖くなりませんか?
山では夏でも雨・風の影響で低体温症になり、命を落とすことがあります。
森林限界を超える高山や縦走をする場合はレインウェアを必ず準備しましょう。
森林限界を超えると木々がなく逃げ場ばないため、雨風にやられると大変危険です。
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登山用レインウェア(雨具)の選び方
ゲイター(左)と速乾性タオル
登山中は汗を良くかきますのでタオルがあるといいです。
速乾性タオルはすぐに乾くのでおすすめです。
グローブは転んだ時に手を保護したり、岩場などを登る時に手が傷付くことを防いでくれます。
また、春・秋の気温が下がる季節や、風雨の状況では防寒グッズとして活躍します。
僕が良く使っているのは、ブラックダイヤモンドのグローブ。
登山道具では有名なメーカーで、手袋にも定評があります。
ブラックダイヤモンド(Black Diamond) ソロイスト
ゲイターは水や石ころが靴の中に入るのを防ぎます。
川がある山道や水がたまった道では、靴の中への水の侵入を防ぐゲイターを準備するといいでしょう。
また、雨の翌日の山は登山道がドロドロになりますが、そんな時にも活躍します。
サングラスは日差しが強い山、高山などであると便利です。
もう一つ、雨に遭遇した時にサングラスがあると目を守ってくれてます。
強い雨だと目が開けてられないこともあったりします。
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