テント泊用ザックの選び方 – ヒップベルトに注目!グレゴリーのザックを交えて説明する


バルトロ65を背負って立山の雷鳥沢に向かって歩く

僕はテント泊のザックをいくつか持っていますが、今は1つのザックに落ち着きました。
僕の持っているテント泊用ザックは、次の3つです。

ブランド ザック名 容量 重量
オスプレー ホーネット 46リットル 0.77kg
グレゴリー コントゥア 50リットル 1.87 kg
グレゴリー バルトロ 65リットル 2.55 kg

今はこの中で最も重いグレゴリーのバルトロ65を主に使い、春・夏・秋・冬と年中テント泊を行っています。
これらのザックを使っていて気がついた「テント泊のザックに必要な特徴や機能」について書いていきます。

目次

 

重要なのはヒップベルト


日帰り登山の場合は荷物が軽いため、ザックが多少フィットしていなくても問題にならないかもしれませんが、テント泊の場合は違います。
ザックのフィット感がテント泊登山の快適さを左右します。

フィット感を高める重要なポイントは、ヒップベルトとショルダーベルトの作りです。
なぜなら、ここがザックと人間の身体とをつなぐ部分となるからです。
ヒップベルトとショルダーベルトは、フィット感が高い「厚み・幅」があるものを選んでください。

「ヒップベルト」は特に重要です。
ヒップベルトを締めただけでザックが腰の上で自立するようなものがテント泊には合っています。
そのようなザックは、テント泊のように重い荷物でも適切に負荷を分散し、快適な歩行を手助けします。

上からバルトロ65、コントゥア50、ホーネット45。ザックのヒップベルトはバルトロ65のように厚みと幅があるものが良い。

左からバルトロ65、コントゥア50、ホーネット45のショルダーベルト。

もし、店頭で試したザックが、
「ちょっと背負い心地に違和感がある」
「肩や腰が少し擦れる」
と感じた場合は、違うザックを買うことを検討した方がいいです。
しつこいようですが、フィット感こそが重要です。

テント泊では荷物が重くなり、それを背負って連日歩くことになります。
小さな違和感・問題点はより大きく深刻になるかもしれません。
山行中にそれが発覚したら辛いことになります。

バルトロを背負って雲ノ平キャンプ場から祖父岳の登り、槍ヶ岳・穂高連峰を望む

ザック自体の重量は重くてもいい

ザックの軽量化は考えなくていいです。
それ自体重くても問題ありません。

そもそものザックの目的を考えてみると、
「荷物を効率良く目標の場所まで運ぶこと」にあります。

食糧やテントなど、荷物の軽量化は大事ですが、ザックの軽量化は逆に効率が落ちます。
軽いザック(特にヒップベルトの作りが貧弱な)に重い荷物を入れるとフィット感が悪くなり、荷物の重さが適切に分散されません。
肩への負荷が大きくなり、そこから首回り、しまいには他の体の部分へと違和感が広がっていきます。

僕の持っている45リットルのザックは「0.77kg」と軽いのですが、テント泊の装備を入れると「2.55 kg」の65リットルザックで背負った方が軽く感じます。
これは、ヒップ・ショルダーベルトの厚さ・太さによるフィット感の違いからきています。

ヒップベルト、ショルダーベルトがどれだけ作りこまれているかを見よう。僕がおすすめするのはグレゴリーのバルトロシリーズ。レスポンスサスペンション機能を持ったグレゴリーのザックのフィット感はすごく良い。

ザックの容量について

夏山であれば下記のサイズで容量としては問題ないです。

  • 1泊2日:55リットル
  • 2泊3日:65リットル

人によってテント泊登山で持っていくものは違いますが、1泊~2泊の場合、シュラフ、テント、料理道具など一般的な道具を持っていく場合は55リットルでいいでしょう。
45リットルではザックがパンパンになり、デジカメなど趣味の道具は入らないかもしれません。
冬山・雪山は1泊2日でもアイゼン、厳冬期用シュラフと荷物がかさむので65リットルのザックがいいです。

ちなみに僕はテント泊では道具の軽量化をあまりしていません。
上記の容量は、予備の食糧や衣類、救急キットなどは必ずザックに入っていると思って参考にしていただければと思います。

それでも、人それぞれシュラフもテントなど大きさが違います。
そのため、ザックはテント泊道具の「一番最後に買う」ことをおすすめします。
そうすることで、テント泊の道具がそろった状態になり、どれぐらいの容量のザックを買うべきか決めやすくなります。

まず最初にテントやシュラフ、マットなどのテント泊に必要なものをすべて買います。
そして、試しに今持っているザックにそれらを詰め込みます。
そして、入らなかった分の荷物分プラスした容量のザックを購入するのです。

この時、さらに「プラス5リットルぐらい大きいザック」を選ぶということをおすすめします。
なぜなら、テント泊を始めると「これが欲しい、あれが欲しい」とさらに道具が増える可能性があるからです(笑)
もし、将来的に冬山・春山の積雪期のテント泊を見据えているなら、さらに10~15リットル大きいものを選ぶといいです。

◆関連記事

・2泊3日テント泊登山の装備・持ち物一覧を紹介 – 春・夏・秋季(無積雪期)
・登山テント泊の始め方 – 初心者からの本格入門

テント泊に使うザックにあるといい機能

天蓋がベルトで伸びる
これがあると、衣類をそこに積み増ししていくことができます。
また、大きなテントやアイゼンを挟むことも可能です。

ザックの天蓋と本体の間にMSRの二人用のテントは挟んでいる様子。ちょっとゆがんでますね(笑)

紐で縛れる機能がある
これも上記と同じよう衣料品、マット、冬場はスコップやスノーシューなどを括り付けることができます。

バルトロ65には天蓋の上と背中部分が紐を通せるような作りになっています。

冬季北八ヶ岳の山行。ザックの背中部分にワカンを付けた

ザックの中部、下部から荷物の出し入れができる
テント泊用のザックであれば、大体この機能はあると思います。
シュラフやテントはザック下部に入れることが多いのですが、この機能があるとテントを張る時に出し入れが簡単になります。
また、テント泊の場合は荷物が多くなりるので、ザックを大きく開ける口があると目的の物を探しやすいです。

レインカバーは大きめのものを選ぶ

レインカバーの注意点について。
ザックに荷物を取り付けることを考慮して、レインカバーは一回り大きいサイズのものを用意しましょう。
僕は65リットルのザックに80リットルサイズ相当のレインカバーを使っています。

ザックの軽量化は初心者にはおすすめしない

なぜ、初心者におすすめしないかと言うと、軽量ザックを背負って快適に登山をするためにはシュラフやテント、クッカーなどの小道具すべての軽量化をしなければならないからです。
ザックが軽量でそれに入れる道具が重いと、背負った時のバランスが悪くなります。

軽量化を究めていくためには、いい登山道具を見極められる経験・お金が必要です。
「ある程度テント泊に行った」、「日帰り登山で軽量化を究めた」となってから、ザックの軽量化を試すことをおすすめします。

僕がおすすめするテント泊ザック

バルトロ65を背負って北アルプスの上高地を歩く

この記事でも写真で紹介していますが、グレゴリーのバルトロはおすすめです。
是非、背負う機会があれば試してほしいです。

体の傾きに合わせてヒップ・ショルダーベルトが動く機能を持っていて、歩行の安定性をサポートします。
また、縫製など細かいところにいたるまで手抜きがありません。
価格が高いのがネックですが、このザックは長いこと使えるので買っても損はしないです。

とは言っても、登山靴と一緒でザックも体との相性が一番です。
僕もすべてのザックを背負って登山に行ったわけではありません。

有名どころのザックは、カリマー、ミレー、モンベル、オスプレー、ドイターなどいっぱいあります。
どれもいいザックでしょう。
色々と背負って、あなたの体にフィットするザックを見つけてみてください。

グレゴリー バルトロ65 BALTORO 65 シャドーブラック M

◆関連記事
・登山テント泊の始め方 – 初心者からの本格入門
・登山のパッキングのコツと工夫について(基本と応用)
・山岳テントの選び方
・登山マットの選び方
・登山用シュラフ(寝袋)の選び方
・テント泊の登山靴の選び方
・僕ががテント泊に使っているグレゴリーバルトロをレビューする
・テント泊でやってしまった失敗談を紹介する

この記事は「初めてのテント泊」の1パートです。

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  • 大型ザックの選び方はとても難しいですね
    はっきり言って店頭で中身空の状態で背負ってもいいかどうかわからないです
    全くの無意味
    実際に1日背負って山を歩かないと合っているか判断できないし、いいと思っても
    もっといいザックもあるでしょう
    だからザックってどんどんふえていくんですね

    • コメントありがとうございます❗そうなんですよねー。違うメーカーのザックを背負ったら、自分にぴったりのものに巡り合えた何てこともありますもんね。大型ザックは値段も高いですし、色々試すのも難しいですしね、