以前、テント泊でやってしまった失敗談を紹介しました。
同じテント泊でも冬山・雪山のテント泊となると無積雪期とは違う知識が必要で、いくつかの失敗をしました(笑)
この記事では、冬季・積雪期のテント泊の失敗談を紹介します。
冬季は凍傷を防ぐために厚手のグローブを付けながら作業をします。
厳冬期ともなれば、体が冷えて力が入らず、テントの設置・撤収作業に時間がかかります。
慣れないうちは、夏季の2~3倍はかかると思ってください。
早めのテント設置・撤収を心がけましょう。
冬季の手袋は分厚くて、細かい作業がしにくいです。
靴ひもを解いたり、ザックから荷物を取り出したり、テント設営などなど夏季テント泊で当たり前に出来ていたことが遅々として進みません。
細かい作業の時は、僕は夏季用の手袋を付けて作業します。
それでも、ほんの数分で指先の間隔がなくなってきます。
細かいこと以外は冬季用手袋に替えて作業をしましょう。
素手で行う凍傷の危険性が増しますし、指の間隔が戻るように手をこすったり、指をグーパーグーパーしたりとかえって時間が取られて効率が悪いです。
テント泊ではただでさ荷物が重いですが、冬季テント泊ではさらに重くなります。
アイゼン、冬季用の寝袋にマット、ピッケルと持って行く物が増えます。
場合によっては、ワカン、オーバーパンツも必要です。
そして、雪山はジグザクの道が少なく、急な坂道を直進することが多いので体力を奪われることがしばしば。
冬は日没も早いので、余裕を持ったコースタイムを設定しましょう。
暗くなってからの雪山でのテント設置は泣けるほど辛いですよ(笑)
厳冬期は厚手のダウンジャケット、ダウンパンツと防寒着はきちんと揃えましょう。
これが貧弱だと大変なのが、テントの設営。
寒いと体が凍えて力が入らず、作業どころではなくなります。
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例え雪が積もっていなくても、風が強い冬季は要注意!
気温が零下を下回ると、地面が凍りカチカチになります。
昼に打ったペグが朝になると抜けないことに。
僕もそれでペグを数本失いました。
石に細引きで固定するか、雪があれば竹ペグかビニール袋に雪を詰めて重しとしましょう。
冬季はテントの中も零下を下回ります。
水筒に水を入れたままだと凍って飲めなくなるばかりでなく、溶かしようにも溶かすことができずに困ります。
前もって水筒を空にしておくか、寝袋の中に入れておきましょう。
ハイドレーションはパイプの中が凍るので冬はNGです。
寝袋に入るまで時間がある時は、僕は着ているジャケットの中に水筒を入れてしまいます。
そうすれば体温のおかげで水が凍ることがありません。
靴には汗などの水分が付いていて、冬のテント泊では靴が凍ります。
靴が凍ると柔軟性がなくなって、靴に足が通りません。
テントの中に入ったら、靴に着いた雪を丁寧に落とし、ビニール袋に入れて寝袋の中に入れておきましょう。
雪が解けるとビニール袋に水が溜まるので、袋を二重に重ねるなどして水が漏れないように注意しましょう。
寝袋に入る前に靴下が汗で濡れていないかチェックしましょう。
濡れていると足先が冷たくなってきますので、替えの靴下に履き替えます。
冬季は汗が大敵です。
濡れた靴下は寝袋に入れておくと翌朝には乾きます。
手袋も同じく、インナーグローブを外して寝袋の中で乾かしましょう。
テント内に雪を入れてしまわないように、注意深く行動しましょう。
雪が解けて寝袋が濡れると、最悪の事態になります。
雪が解けた場合は、タオルでふき取りましょう。
また、フライシートやテントの出入り口のジッパー部分にも雪が付いていないか確認しましょう。
雪が付いていると凍ってジッパーの開け閉めに難儀します。
冬季テント泊は夏と比べるとカロリーの消費が激しいです。
荷物が重いのもありますし、冬は気温が下がるので体温を維持するために多くのエネルギーを必要とします。
ごはんは無理をしても食べるようにしましょう。
ごはんを抜くと思うように体動きません。
食事を怠ると翌日の行動に支障が出ますし、低体温症のリスクも高まります。
また、意外と汗もかいているので、水分を意識して多めに取りましょう。
ココアやコーンスープなど、カロリー摂取も童子に行える飲み物がおススメです。
とにかく気温が低いので、お湯を注ぐカップラーメンなどのごはんは冬季には向かないです。
すぐにお湯が冷えて、いい感じに仕上がりません。
ラーメンの場合は、クッカーに入れて煮込んで食べられるリフィルタイプのものを選びましょう。
アルファ米もお湯で戻したら、クッカーで内でシチューなどと煮込んで食べるのがおススメです。
冷めにくいですし、温かい状態で食べられます。
また、着火に使うライターはフリント式を持って行きましょう。
電子式だと気温が低いと火がつきにくくなります。
冬のごはんは煮込み料理がおすすめ
冬季テント泊では、クローズドセルタイプでは背中が冷えて眠れません。
エアーマットを準備しましょう。
僕は厳冬期の場合、クローズドセルタイプとエアーマットを重ねて使っています。
こうすれば、零下20度でも地面からの冷気を完全に遮断してくれます。
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冬季はエアーマットを準備したい
テントについた水分が凍ると、たたんでもサイズが小さくならず、付属の袋に入らないことがあります。
少し大き目のビニール袋を用意しておけば、そのような場合にテントを収納できます。
雪山であればザックに入れる水は最小限にして、テント場で雪を溶かして水を調達するのが体力的に楽です。
雪をはビニール袋に一度に大量に詰めるなどし、効率的に水を作りましょう。
僕は雪をビニール袋に入れる際はクッカーを使い、袋から雪を取り出す時はスプーンを使っています。
そのため、冬季の場合はスプーンも金属製の丈夫な物を使っています。
雪を溶かして水を一から作ると時間がかかります。
クッカーに水を半分ほど入れて沸騰させ、雪の塊を入れると短時間で作れます。
ビニール袋に雪をかき集めると効率的
冬は日照時間が短く、テントにいる時間が長いです。
この時間を使って翌日の準備をしておくことをおススメします。
僕は朝は寒いと準備が億劫になります。
朝の準備が遅れると、只でさえ冬は日照時間が短いのに行動時間が短くなります。
夜の内に水作りをして、熱湯を水筒に入れておきましょう。
そうすれば、翌朝のお湯づくりも楽です。
朝を行動食で済ます場合は、行動食を寝袋か着用しているジャケットに入れておきます。
テント内に放り出しておくと、凍って食べられませんよ(笑)
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冬季はテント内の全てが凍りつく
そんなことにならないように、防寒着はテント内でも着用しましょう。
体が冷えると動きたくなくなるというか、動けなくなります。
寒さに弱い人は、キャンドルランタンがおススメです。
テント内の温度が上がり体が温まります。
ただし、酸素を消費するので使っている間は換気に気を付け、眠る時は消しましょう。
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