アイゼンのベストな選び方 – 装着タイプと爪の数のよる特徴を知ろう!

アイゼンを初めて購入した時のワクワク感を今でも覚えています。

「登山、本気でやってます」感がありますよね、アイゼンって(笑)

 

アイゼンは雪山で最も使用頻度の高いアイテムです!

種類も色々、特徴も色々なので、知識を身に着けて選びましょう。

目次

  • コバの有無で装着できるアイゼンが違う
  • アイゼンの装着タイプ
    • ストラップ式アイゼン
    • セミワンタッチ式アイゼン
    • ワンタッチ式アイゼン
  • アイゼンの素材について
  • アイゼンの爪の数で安定性が変わる
  • アイゼンとチェーンスパイクの違い
  • アイゼンの持ち運びについて
  • アイゼンは登山ショップで購入しよう!

 

コバの有無で装着できるアイゼンが違う

アイゼンを知る前に登山靴のコバについて知っておきましょう。

登山靴には、

  • 「コバがない」タイプ
  • 「後ろにコバがある」タイプ
  • 「前後にコバがある」タイプ

の3種類があります。

 

このコバの有無によって、装着できるアイゼンのタイプが違ってきます。

コバは上記の写真のように少しへこんでいて、アイゼンによっては、この溝にレバーを引っかけて登山靴とアイゼンを固定します。

手持ちの登山靴を使う場合は、アイゼンを選ぶ前にコバの有無を確認しましょう。

アイゼンの装着タイプ

アイゼンには3つの装着タイプがあります。

ストラップ式、セミワンタッチ式、ワンタッチ式の3つです。

ストラップ式アイゼン(コバがなくても装着可能)


参考画像:グリベル Air Tech Light Wide -NEW CLASSIC

 

ストラップ式はどのような登山靴でも合わせられ、後述のセミワンタッチ式とともに多くの人に使用されるアイゼンです。

前後部のプラスチック部分にストラップを通して、アイゼンを装着します。

登山靴にコバは必要ありません(もちろん合っても使えます)。

 

雪山ハイキングから、アイスクライミングでない雪山まで幅広く使えます。

ストラップで固定するために、ワンタッチ式やセミワンタッチ式と比べると装着がやや面倒で、靴へのフィット感は劣りますが、登山に支障はないです。

どのような靴にも装着できますが、ソールの堅い登山靴の方が足裏の負担が少なくていいです。

セミワンタッチ式アイゼン(後ろにコバがあるタイプで装着可能

セミワンタッチ式は後部にレバー、全部はハーネスにストラップを通して装着します。

装着手順は、ワンタッチ式よりは複雑ですが、ストラップ式よりは簡単です。

 

登山靴は「後部」にコバがあるタイプが装着可能。

ワンタッチ式ほどではありませんが、登山靴にフィットする構造になっています。

前爪が水平方向に伸びているものはアイスクライミングには不向きですが、それ以外であれば難易度の高いテクニカル雪山でも使用可能です。

ストラップ式とともに、最も使用されているアイゼンの一つです。

ワンタッチ式アイゼン(前後にコバがあるタイプで装着可能)


参考画像:グリベル G22 CRAMP-O-MATIC

ワンタッチ式アイゼンは最も厳重な構造になっています。

前部と後部にレバーがついていて、登山靴のコバをそこにはめることでがっちりと装着できます。

 

「前後」にコバがあるタイプの登山靴に装着可能です。

前爪が垂直方向に尖っていることが多く、アイスクライミングや難易度の高いテクニカルな雪山向きとなっています。

3種類のアイゼンについて説明してきました。

初めてアイゼンを購入する場合は、「ストラップ式」か「セミワンタッチ式」のどちらかを選ぶことになると思います。

この2つから選ぶ際にポイントとなること書いておきます。

  • セミワンタッチ式は装着が容易
  • セミワンタッチ式は後部にコバが必要
  • ストラップ式はどのような靴にも対応可能

もし、厳冬期登山をする場合は冬季専用の登山靴を買うことになるでしょう。

そのような靴にはほとんどの場合、後部にコバがついていますのでセミワンタッチ式も使えます。

 

春の残雪期だけ登山をするなら、冬季専用靴でなくても登れる山があります。

そのような場合は、もし手元の靴がコバがないならストラップ式を選んでもいいです。

ただし、コバがない靴でも、アイゼンを付けるならソールが堅くて頑丈な靴がいいです。

ストラップはかなり締め上げるので、柔らかい靴だと血行不良を起こすかもしれません。

アイゼンの素材について

アイゼンの素材は主に3つあります。

  • スチール製:スタンダード。最も頑丈で衝撃吸収に優れる。クロモリなどの錆びにくい合金製が多い。
  • アルミニウム製:軽くて快適に歩ける。スチールに比べて頑丈ではないので、アイスなどのテクニカルなルートには不向き。
  • カーボンスチール製:軽くて頑丈な素材。一方、スチール製に比べて耐久にかける。


岩稜地帯を歩くならスチール製がおすすめ。

 

スチール製は錆びるので、登山後はしっかり乾かしましょう。

メンテナンスも大事です。

◆関連記事
雪山に登る前にアイゼンの手入れをする【サビ落とし・防サビ】

アイゼンの爪の数で安定性が変わる

アイゼンの爪は6~12本のタイプが多いです。

12本爪アイゼンは爪が多い分、踏ん張りが効くので色々なルートに対応でき、歩行の安定性が増します。

 

その分、やや重くなります。

個人的には12本爪アイゼンを買えば、どのような雪道にも対応できるのでおススメします。


12本爪アイゼンは登山靴の底部だけでなく、前後からも爪が伸びる。急峻な雪道でも安定して歩ける


6本爪のアイゼン。登山靴の底部にのみ爪が出ている。急登などで滑りやすい。

 

少ない本数の爪は、雪山ハイキングにはいいかもしれませんが、急峻なルートでは不安定になり不向きです。

爪が刺さらずに滑りる危険性が増します。

アイゼンとチェーンスパイクの違い

  • スパイクが短いので深い雪の坂では滑る
  • 前爪がないので急登、岩場では踏ん張りが効かない
  • 堅い氷にはスパイクが刺さらない

チェーンスパイクは厳冬期には使えないと思っていいです。

春の雪が固まった残雪期の軽ハイク向きです。

軽くて持ち運びに便利なので、そのような場合は重宝します。

 

春の甲武信ヶ岳でチェーンスパイクを付けて登っている人が結構いましたが、場所によっては歩きにくそうでした。

雪が固まっていない部分や、氷のようにツルツルなっているような所です。

見ているこっちが、とても不安になりました。

 

雪山は滑ったら命の危険にかかわります。

登る山の雪の状態を事前にきちんと調べ、道具選びにも慎重になりましょう。

アイゼンの持ち運びについて

アイゼンは鋭い爪が付いているので、持ち運び時は専用のケースに入れましょう。

また、ザックの中に入れることを考えると防水性のものがいいです。

GRIVEL(グリベル) クランポンセーフ

アイゼンは登山ショップで購入しよう!

説明してきたように、アイゼンは装着タイプ、爪の数など種類が色々あります。

できれば登山ショップで店員さんに相談して購入するのがいいです。

冬季専用靴を買うのなら、その時に店員さんにこれから登りたい山を伝えて、アイゼンも一緒に選んでもらいましょう。

◆スチール(クロモリ)製12本爪アイゼン
セミワンタッチ式
GRIVEL(グリベル) エアーテック ニューマチック


ストラップ式
GRIVEL(グリベル) エアーテック ニュークラシック




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