1日目:一ノ沢登山口から常念岳に向かう【常念岳~大天井岳~燕岳縦走テント泊】

8月中旬に北アルプスの常念岳~大天井岳~燕岳を縦走、2泊3日のテント泊をしました。
まずは、1日目の一ノ沢登山口から常念岳へのレポートをいたします。
概要は下記リンクから確認できます。
常念岳~大天井岳~燕岳 北アルプス縦走(2拍3日テント泊)概要 【動画あり】はこちら
 

コースタイム

◆1日目(8時間40分)
一ノ沢登山口(5:00)~山ノ神(5:20)~笠原沢(8:10)~胸突八丁(9:15)~最終水場(9:50)~常念乗越・常念小屋(11:10)~休憩~常念乗越・常念小屋(13:00)~常念岳山頂(14:15)~休憩~常念乗越・常念小屋(15:30)
◆2日目(7時間)
常念乗越・常念小屋(6:00)~大天荘(9:20)~大天井岳(9:30)~大天荘(9:40)~休憩~大天荘(10:05)~燕山荘(13:25)
◆3日目(3時間5分)
燕山荘(6:30)~合戦小屋(7:10)~第三ベンチ(8:10)~第一ベンチ(9:00)~中房温泉(9:35)
 

一ノ沢登山口から常念小屋へ

今回は毎日アルペン号というバスを利用して、常念岳の登山口となる一ノ沢登山口に向かいました。
東京の竹橋駅を夜の22時45分に出発して、一ノ沢登山口には早朝5時前に到着。
登山口の標高は1,320m。今日はそこから2,466mの高さにある情念小屋でテントを張り、その後、常念岳に登る計画です。
 

一ノ沢登山口にはトイレが設置されている。
 
毎日アルペン号から一ノ沢に降りた登山客は6人程度。
出発時はちょうど5時頃。まだ暗かったのでヘッドライトをつけて出発しました。
一ノ沢は名前の通り沢になっていて、まずは川沿いの道を歩いていきます。左手の川の流れる音を聞きながら道を進んでいきます。
 

 
序盤は深い森の中のアップダウンない道を進んでいきます。
登山口から歩いて約20分で山ノ神という鳥居が現れます。
大きなトチの木に祠が祀られていて、登山安全祈願ができ、さい銭箱が設置されていました。
 

このルートは同じ北アルプスでも涸沢とも、燕岳へ向かう中防温泉の道とも違う雰囲気でした。
雄大で静かな森は、どことなく南アルプスの北岳の感じに似ているなと思いました。
登山日の前日に雨が降っていたため、道にも水が溢れていました。
 
序盤は沢沿いの道なので小さな橋で渡ったりして、変化があって面白い登山道です。
時折、見上げるような立派な巨木があったり、色んな種類の花が姿を見せてこれもまた楽しかったです。




白くて小さくて可愛らしいミヤマシシウドのお花
 
川が近くを流れていて湿度が高いためなのか、苔がいたるところで生えていました。
立ち止まって苔の生えている倒木など見てみると、その小さな表面でさらに色々な種類の苔が見れて面白かったです。
その苔の塊がまるで森のように見えてきます。


 
一ノ沢からの登山道は静かな山登りを楽しめました
燕岳に向かう中防温泉登山口と比べると人が少ないんです。
出発してから3時間ぐらいが経ちました。
 
太陽がどんどん高く登り、また青空が広がります。
この日の朝ご飯はお気に入りの行動食の「クリフバー」にしました。食べながら道を進んでいきます。



一ノ沢沿いの道では紫色のトリカブトを見ることができます
 
登山を開始してから3時間ほどで笠原沢に着きました。
ここまでスタートから約600mを登ってきたことになります。
 
ふと振り返ると目線の高さに白い雲が見えました。
笠原沢の標高は1,900m。「結構登ってきたんだなー」と思いながら歩を進めます。


 
ここ以降、曇って小雨が降る天気となりました。
雨が強くなかったので、霧が立ち込める幻想的な森を歩けて、それもまた楽しかったです。
 
色とりどりの花が咲き乱れ、蜂や蝶などの昆虫もたくさん見ることができました。
笠原沢から1時間程度で胸突八丁に着きました。
雨もやや強くなってきたのでカッパを着て、ザックカバーをかけて常念小屋を目指して歩いていきました。
 


 
胸突八丁から30分程度で最終水場と書かれた標識が現れました。
常念小屋で水を購入することもできますが、常念小屋まで距離は近いので、できるだけ水を汲んでいくことにしました。
ベンチにザックを下ろして、小雨の中で少し休憩を取ります。
 
空気が薄くなってきたからなのか、道が急だからなのか、ここから先はなかなか歩行ペースが上がりませんでした。
第1、第2、第3ベンチと休憩ポイントがあったので休み休み登っていきました。


 
第3ベンチを抜けると大きな常念岳が見えてきました!
この時はちょうど雲が晴れて綺麗にその山のたたずまいを見ることができました。
ガレ場の灰色と植物の緑色が印象的な山です。
 
最終水場から1時間20分で常念小屋のある常念乗越に到着! 
時計は11時10分を指していました。
ゆっくり歩き、雨が降ったこともこともありますが、コースタイムを1時間以上オーバーしました。


常念小屋に向かいテント場の宿泊手続きをします(常念小屋のホームページはこちら)。
料金はトイレチップ含んで1,000円でした。小屋の中の自動販売機にビールが売っていたので2本買います

常念小屋から少し離れた場所にあるテント場にテントを張り、お腹が空いていたのでお昼ご飯を作ることにしました。
テントの数は僕のを含めて3張りで場所選びは困ることはありませんでした。
ここからは天気が良ければ槍ヶ岳が見えるのですが、残念ながらこの日は雲がかかっていて見ることができませんでした。
 

常念小屋から常念岳山頂へ

お昼ご飯を食べ終わったのが13時ぐらい。
天気があやしいため常念岳に登るかどうか迷いましたが、明日の早朝に登る時間も確保できないため山頂に向かうことにします。
 
常念小屋の前から広がるガレ場の中をたんたんと登っていきます。
険しい箇所はなくとても登りやすいルートです。
 
登っているときは山の頂上付近が見えるのですが、全然そこに近づかないです(笑)
常念小屋からは400m程度の標高差があって、往復時間は2時間30分程度となりました。



高山植物のトウヤクリンドウが可愛らしい
 
頂上に近づくにつれて、雨が強くなってきました。
登山道沿にはいたるところにケルンが立てられていて目印になります。
ガスの中に複数の鳥の歩く影が見えて、近づいてみると雷鳥の親子でした!
 
ここでアクシデント。
雷鳥の親子に夢中になるあまり、デジカメが雨でびしょびしょになっているのに気が付きませんでした(泣)
デジカメが壊れてしまい、この後は手持ちのビデオカメラのGoProとスマホを使って撮影を行いました。
 


 
常念乗越から1時間15分で常念岳の山頂に到着しました!
登っている時は晴れることを期待していましたが、残念ながら雨が降り何も見えませんでした。
早々にテント場へ引き返しまします。
 
雨の勢いが強くなり視界が20-30mぐらいに狭まります。
広いガレ場で登山道の目印を見失ってしまい、一瞬道に迷いそうになりました。
 
時計のコンパスで進む方向を修正します。
この辺りはガレ場が広大なので、雨の日やガスっている日は気を付けたほうがいいですね。
テント場に着いてからも天気は回復することはなく、早めに夜ごはんを食べて寝ることにしたのでした。

 
>>2日目:常念小屋から燕山荘に向かう【常念岳~大天井岳~燕岳 北アルプス縦走テント泊】 に続く
 

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  • 素敵な山レコ、ありがとうございます。度々拝見し楽しませていただいてます。
    ta-daさんの動画や写真、音楽やレイアウト・フォントまで、どれもいいのですが(エラそうな事言ってスミマセン(^^”)、私は何といっても文章が大好きです。
    山が大好きなことが伝わってくる温かくもサラッとした短文。やわらかで簡潔な文体からは、秘められた知性も感じます。
    雲ノ平も雪山テント泊も私には無理ですが、ta-daさん=『頼りがいのあるしっかり者の甥っ子』のような気分で(笑)これからも拝見します。

    • こんにちは!嬉しいコメントありがとうございます!
      動画も見ていただいたんですね。音楽やフォントも動画の雰囲気に合うようにと作っていますので、こんなに素敵な感想いただけると本当に作って良かったなー!と思います(最近作れていませんが…)。
      文体まで感想をいただけるのは初めてです。くどくなり過ぎないように気を付けていますが、コメントいただけると嬉しいです。知性は… ありませんよ(笑)
      『頼りがいのあるしっかり者の甥っ子』になれるように精進します(笑)
      また、是非見に来てください。ありがとうございます!