1日目:黒部五郎岳に登る(折立~薬師峠キャンプ場)
2日目:黒部五郎岳に登る(薬師峠キャンプ場~黒部五郎岳~黒部五郎小舎)
3日目:黒部五郎岳に登る(黒部五郎小舎~三俣蓮華岳~双六小屋)
3泊4日の黒部五郎岳縦走も本日がいよいよ最終日。
1日目:双六小屋(5:00)~弓折乗越(6:45)~新穂高温泉(13:15)
携帯電話のアラームで目が覚めたのは午前4時。
前日は夜も雨が降っていたので、
「次の日も雨だと、テント撤収も時間がかかりそうだ」
と思って早朝に起きたのですが、雨は降っていませんでした。
しかーし…
段々と明るくなってくると、周りがガスだらけ。
「これでは帰りに槍ヶ岳見れないなー」
と残念な気持ちに。
雨で濡れたテントを撤収し、5時にテント場を出発。
周りはモヤモヤで、笠ヶ岳、鷲羽岳は見えず。残念。
双六小屋のテント場を出発
ガスった双六小屋を振り返る
弓折乗越に向けて、稜線を歩いていきます。
「稜線に上がったら、槍ヶ岳側の景色が少しは見えるかも」
と期待していましたが、序盤は全く見えず。
この道も高山植物がいっぱいです。
キヌガサソウに、ウメバチソウ、チングルマ。
雨に濡れて艶やかになり、一層美しく見えました。
キヌガサソウ
ウメバチソウ
雨に濡れたチングルマ
草木が湿っているので、ザックカバーを装着。
今日は長い下り。
膝を傷めないように、ゆっくりとしたペースで歩いていきます。
弓折の稜線は、天気が良ければ東の方角に槍ヶ岳、穂高連峰が一望できます。
出だしは天気が悪かったのですが、雲の切れ目から少しだけ青空が見え始めます。
「これは… 槍が見えるかも」
そんな期待から稜線をかなりゆっくり歩き、小休憩を繰り返します(笑)
すると…
槍ヶ岳が雲の合間からその姿を見せてくれました!
「槍様ー!」
周りからも黄色い声があがります。
モテモテの槍さんです。
神々しい槍ヶ岳を見れたことで、どこかモヤモヤしていた気持ちも晴れ、満たされた気持ちになりました(笑)
やっぱり槍ヶ岳のパワーはすごいですね。
富士山もそうですが、見ると体に力がみなぎってきます。
少しモヤが晴れたものの、槍ヶ岳が見えるのは風のいたずらで雲が切れ間ができる時。
時々見ることができる槍を肴に、下山を続けます。
歩き始めて1時間半が過ぎたころ、弓折乗越に着きました。
眼下には鏡平山荘の姿。
ここ、弓折乗越は笠ヶ岳と新穂高温泉との分岐となります。
そして、新穂高温泉への道は小池新道と呼ばれています。
この乗越から新穂高温泉へは1,500メートルほどの下り。
まだまだ、長い下り坂が続きます。
雲の隙間からうっすらと見えた槍ヶ岳と穂高連峰
弓折乗越からの下り坂を振り返る
穂高から焼岳へ延びる稜線
弓折乗越からすぐに鏡平山荘に到着。
ここで朝ごはんにしました。
ここはかき氷が有名で、周りには頼んでいる人もいました。
そして、もう一つ有名なのが鏡池。
この池は天気が良ければ、槍ヶ岳が逆さになって映る逆さ槍で有名です。
残念ながらこの日は天気が悪く、見ることができませんでした。
鏡池
休憩を終えて、グングンと標高を下げていきます。
重い荷物を背負ってのこの長い下り坂は、かなり脚に負担がかかりました。
荷物だけでなく、体の脂肪が重いのもありますが(笑)
鏡平山荘からはしばらくの間、山と山との谷合を歩きます。
ここは中々急な下りです。
しばらくすると、シシウドヶ原に到着。
その名の通り、辺り一面がシシウドだらけの原っぱです。
去年の7月末に通った時は、辺り一面は雪渓に覆われていましたが、8月中旬に登った今年は雪が解け、見たことないような見事なシシウド畑になっていました。
シシウドヶ原の側を下っていると、小さな動物に遭遇!
2日目の黒部五郎岳への道中でも出会ったオコジョです。
登山道を歩いていると、横切るオコジョ。
彼(もしくは彼女)は、こちらを1秒ぐらい立ち止まって見つめると、草むらの中に消えていきました。
その後、チボ岩と呼ばれる巨石が並ぶ沢を通過。
そして、いくつかの小さな沢を横切って秩父沢に到着。
秩父沢はこの道では一番の水量を誇る沢です。
雪解け水が流れています。
ここで喉を潤し、顔や体の汗を拭って小休憩をします。
冷たい水で顔をふくだけで、気分がすっきりしました。
休憩後、あまり変化のない道を下っていくと川が左手に現れ、しばらくすると小池新道入口に到着!
ここまでくれば、あとは平たんな道を新穂高温泉まで歩くことになります。
わさび平小屋を通過し、緑豊かな道を歩いていきます。
右手には笠ヶ岳一帯を形作る険峻な山々。
いい景色です。
そして、双六小屋を出発して8時間を過ぎたころ、新穂高温泉に着きました!
バスロープウェイ駅で松本行へのバスを待つ間、飛騨牛まんじゅうと牛串、それからビールを買って旅の終わりを告げる祝杯。
いい山旅になりました。