登山をすると汗をたくさんかきます。
適切な水分補給を怠ると、酸素が体に効率的に回らなくなり歩くのがきつくなってきます。
また、脱水症状の危険も増します。
「では、どれぐらいの水を持って行けばいいのか」
これが中々難しい。
余分に持っていき過ぎると、ザックが重たくなって歩くのが疲れてしまいます。
僕も登山を始めたばかりの頃は、持って行く水の量を山友達に相談していました。
持って行く水の量について悩ましいのは、人によって適切な量が違うから。
汗っかきの人もいれば、そうでない人もいます。
また、身長と体重、山の気温によっても適切な水分補給量が違います。
この記事では、登山をする時に持って行く水の量の目安、何かあった時に確保しておく水について書いていきます。
今回はこちらの丹沢の大山登山を例として、準備する水の量を書いていきます。
僕は持って行く水の量を考える時、まずは「登り」に必要な量を計算します。
そして、その算出方法は「歩行時間」と「標高差」です。
この時の大山登山の「登り」は、大山ケーブルバス停から山頂まで2時間15分かかりました。
これは、「山と高原地図」の参考コースタイムと同じです。
歩行時間はいつも、登山地図を見て考えています。
そして、標高差(登り口から山頂までの高さ)は、942メートル。
これも地図を見ればわかります。
ここから考えると、350メートル登るのに1時間かかることになります。
真夏でこの道を歩く場合、僕は登りだけで1リットルぐらいの水を持って行きます。
僕の考え方は、
300~350メートルの登りで1時間かかる山は、
1時間あたり0.5リットルの水を持く
です。
下りは来た道を戻るなら、登りの半分の0.5リットルを準備します。
登りと下りを足すと、1.5リットル。
そして、道迷いなど何かあった時のために、下りと同じ量の0.5リットルを予備として確保しておきます。
合計2リットルですね。
つまり、持って行く水の量の目安は、
「登りに必要な水の量」× 2倍
です。
ここで、少し応用です。
先ほどの大山登山では、350メートル登るのに1時間かかっていました。
では、地図で別の山の参考コースタイムを確認したところ、1時間で200メートルの標高差を登ることが分かりました。
この場合、水の量はどうしたらいいでしょうか?
体力的にきついのは、
350m / 1時間 > 200m / 1時間
となりますよね。
「200m / 1時間」の場合は、「350m / 1時間」と比べてなだらかな道であることが推測されます。
ですので、「350m / 1時間」よりも水の量を減らします。
ちなみの僕の身長は170cm、体重は63キロです。
身長と体重によって汗のかく量が違いますので、参考にしてみてください。
身長に対して体重がある人は、多めに飲み物を持って行きましょう。
先ほどは、真夏の登山の場合で、1時間あたり350メートル登る場合の水の量を計算してみました。
では春や秋の場合、水の量はどう算出したらいいでしょうか?
気温が下がるので、真夏よりは水の量を減らしてもいいでしょう。
ただし、これといった目安はありません。
なぜなら、春といっても4月の上旬と5月の下旬では気温がかなり違うからです。
また、登山をするその日が例年よりも気温が高い、もしくは低いかもしれません。
まだ自分で水の量の目安が見積れない場合は、真夏に必要な量を持って行くと安心でしょう。
慣れてくると、おおよその目安がつかめてきます。
登山を始めたばかりの頃は、水の重さが辛いです。
水は登山の荷物の中でも、最も重量があるものの一つです。
1リットル = 1キロ 減らすだけで、かなり軽く感じます。
山歩きの快適さがかなり違うと思うはずです。
すべての飲み物を自分の力で運ぶのではなく、山小屋で販売している飲料を活用することも考えてみましょう。
荷物が軽くなり、山の景色を楽しむ余裕も生まれます。
三ツ峠の山荘、四季楽園のように自動販売機があるところも
例えば、東京の高尾山、丹沢の大山や塔ノ岳のような、登山者が多い山では小屋で飲み物を売っています。
登りに必要な飲料だけをザックに入れて、下り分は山小屋で購入するのもありです(値段は高いですが)。
ただし、山によっては小屋がなかったり、小屋に飲み物が売っていないこともありえますので、事前にインターネットなどで飲み物が購入できるか調べておきましょう。
地図を見てみると、「水」と記載がある場所があります。
これは水場と呼ばれる場所で、飲水として利用できる天然の水があることを示しています。
ただし、水場は注意が必要です。
「山と高原地図」を参照。「水」と書かれたところに水場がある。
例えば、見ている地図が古いと、すでにその水場が存在していない可能性があります。
また、季節によって、水の量が極端に少なくなる水場もあるんです。
また、水の量が豊富なところもあれば、ほんの少しずつしか水が出ていない場所もあります。
少ししか水が出たいない水場を利用しようとしたところ人が多く並んでいると、思わぬ形で登山の予定時間が狂う可能性があります。
水場を利用する場合は、直近の状況をインターネットで調べるか、水場近くの山小屋に問い合わせましょう。
左のようにチョロチョロとしか出ない水場もあれば、右のように水が勢いよくでる水場もある
登山地図に「水」と書かれていないのに水がある場所があります。
山に流れている川などがその例です。
このような場所は水に寄生虫や細菌が含まれている可能性があります。
そのまま飲むのはリスキーです。
バーナーなどで加熱処理するか、携帯用の浄水器を使いましょう。
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登山中は定期的に水を飲むように心がけましょう。
脱水状態になると、気づかない内にパワーが落ちています。
「登山ってすごく疲れるなー」
と感じるのは筋力や肺活量が原因ではなく、体に水分が不足している可能性だってあるのです。
登山中は行動食・水分を定期的にとり、体の中に燃料を蓄えておく必要があります。
一番いいのは、ザックのサイドポケットにペットボトルや水筒を入れておくことです。
歩きながら水が飲めるように練習しましょう。
もちろん、小休憩時に水分を補給することは必須です!
標高が1,000メートルを超える山となると、山頂は夏場でも涼しいことが多いです。
春や秋だと肌寒く感じます。
標高が100メートル上がると、気温は0.6度下がります。
海抜0メートルの地上で気温が30度だった場合、1,000メートル山頂は24度。
地上が25度だったら19度です!
そんな時におすすめの飲み物が、ココアやスープ。
肌寒い山頂で飲む暖かい飲み物は、最高に美味しいです!
僕は粉末状のものを持って行きます。
ココアやスープがいいのは、水分だけでなくカロリーも同時に摂取できるところ。
粉末状の飲み物はお湯が必要です。
バーナーがあればお湯を作れます。
テルモスなどの魔法瓶などを使ってもいいです。
出発前にお湯を入れておけば、お昼ぐらいまでは熱いままの状態が続きますよ。
また、夏場などにはテルモスに氷を敷き詰めて飲み物を入れることもあります。
熱い中で飲む冷たい飲み物も、普段以上にとても美味しく感じます。
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登山前の水分補給
登山前に水分を取っておくことは重要です。
登山口近くに水道があれば、水を飲んで出発しましょう。
雨や風が強くても水分は取る
雨が降っていたり風が強いと、体が冷えてあまりのどが渇いていないように感じることがあります。
ただ、そのような場合でも登山中は汗をかいています
意識して水分を取るように心がけましょう。
炭酸系の飲料は控える
登山中に炭酸系の飲料だけを持って行くのはやめましょう。
なぜなら、炭酸でお腹が膨れてお腹がいっぱいになり、あまり水分が取れないからです。
炭酸飲料は山頂での休憩時、もしくは下山後などしておきましょう。
スポーツドリンクと水
登山中は汗で水分と一緒に「塩分(ナトリウム)」も体から抜けていきます。
水やお茶だけを飲んでいると体に塩分が足りなくなり、のどが渇きにくくなります。
塩分を含んだ行動食も一緒にとることが重要です。
スポーツドリンクには塩分が適度に含まれているので、登山にも適しています。
ただ、スポーツドリンクだけだとのどが渇きやすくなるので、水も一緒に携帯することおすすめします。
水筒を持って行くのであれば、粉末タイプのスポーツドリンクは「濃さ」が調節できるのでおすすめです。
また、水を持って行れば山頂でスポーツドリンクを作ることもできます。
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