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遭難対策のおススメ本、「山岳遭難の構図」を読んだ

山岳遭難の本と言うと、羽根田治さんの著作が有名です。

遭難までの経緯を遭難者へのインタビューなどから取りまとめて、読んでいて勉強になりますし、読み物としても面白いです。


一方、この本は教科書的と言ったいいのかもしれないです。

科学的データを元に山岳遭難事故の原因・傾向を分析しています。

このような本はほとんどないので興味深く読みました。


色々な角度から遭難分析がされているのですが、例を挙げると、

  • 世代と性差
  • 天候と地形
  • 組織と単独登山者
  • 季節・時間・登山工程

などです。

知らなかったことも多くあって、大変ためになりました。

 

この本の一番のポイントは道迷い遭難に多くのページを割いているところです。

道迷いは山岳遭難の中で事故件数が一番多く、転倒や滑落などへも繋がらるものです。

長いこと登山をしている方なら、遭難とは言わなくてもちょっとした道迷いをされた方も多いのではないでしょうか。

 

著者は大学の教授。

道迷いの実験を行って、その道迷いのタイプや特徴を考察しています。

  • どのように道に迷っていくのか
  • 道迷いのきっかけは何か
  • コンパスの効果はどうか

色々と学ぶことが多い本です。


道に迷った場合にどうすべきかも書かれています。

「道に迷ったら沢には下りずに尾根に上がれ」

という単純なものでもないと分かりました。

あと、ヤブの怖さも。

 

これからも知識を遭難に関する増やして、遭難しないようにしていきたいと思います。

 

山岳遭難の構図―すべての事故には理由がある

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