井上靖の「氷壁」はamazonで山系の本をあさっていると、関連本によく出てくるので気になっていました。
内容は都内に住む登山家二人のお話から始まります。
二人は一緒に正月、厳冬期の穂高の氷壁に挑むのだが…
恋愛、会社、登山など日常生活と登山が入り混じった、また人間関係・心理を細かく描写していて引き込まれました。
新田次郎のように登山・自然を中心とした小説というよりも、あくまで人が主役。
そういう意味では山好きでなくても楽しめると思います。
50年以上前に出版された小説ですが、全く古臭くありません。
山とともに生きる青年が、登山仲間、会社の上司、好意を抱く相手と向き合おうとする。
けれども葛藤は続き、山に登ることで自分と向き合おうとする。
そんな物語です。
氷壁