待ちに待った、角幡唯介さんの新刊「極夜行」。
角幡さんの本は「空白の五マイル」以降すべて読んでいる大ファンです。
角幡さんは冒険家&作家で登山好き。
この極夜行は登山本ではなく、北極に近い太陽が昇らない場所を80日にかけて、ウヤミリックと言う名の犬と旅をするという壮絶な内容です。
などなど、刺激的かつ面白い。
角幡さんらしい哲学的かつ詳細な描写で、まるで自分が一緒に極夜の旅をしている気分になります。
好き嫌いがありそうですが、下ネタ混じりのユーモアも満載です。
この本には写真がない(極夜なので撮れないが)ことに加えて、極夜という想像しにくい世界をどのように書き上げるのか、面白くまとまるのか心配していましたが、結果はすごく面白いものでした。
まさに、唯一無二の冒険本です。
下記のサイトでも今回の旅について紹介されているので、角幡さんがどんな人か、今回の旅がどんなものか想像できるかも。
極夜行を読んだ人には、角幡さんの別の本である「アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極」を読むと、極地のすごさや魅力、極地冒険の歴史がもっと分かると思います。
角幡さんの本を読んでると、「北極に行ってみたいなー」と思っちゃいます(笑)
角幡さんのようなスゴイ旅はできませんが、北極に行って海象とか氷床とか生で見たくなります。
さて、今回の極夜行を読んで、
「角幡さんの文章スタイルが変わったなー」
と思いました。
今までは、冒険本では如何にもノンフィクションらしい真面目なスタイルを通し、「探検家、40歳の事情」のような日常本には角幡さんらしいユーモアが織り込まれていました。
今回の本からはこのスタイルが融合して、「真面目で哲学的で緊迫感のある描写」+「ありのままの角幡さん(ユーモア満載)」となっていました。
どちらのスタイルも好きだったのですが、今回のように何も包み隠さない大っぴらで、自然体な(と思われる)角幡さんのスタイルで書く冒険本は素敵でした。
いやー、早くも次の本が楽しみです。
極夜行
アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極 (集英社文庫)