クライマーとして有名な山野井泰史さん「垂直の記憶」を読みました。
登山をしているなら、山野井泰史さんの名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
妻の妙子さんもクライマーとして有名です。
この本は、山野井泰史さんの登攀の中でもヒマラヤ高峰についてことが多く書かれています。
クライミングを始めたきっかけ、ヒマラヤに行くようになったきっかけ、結婚について飾り気の言葉で語っています。
そして、夫婦で挑んで何とか生還したものの、どちらも凍傷で多くの指を失ったギャチュン・カン北壁の山行についても。
「こうやって人は雪山で命を失うものなのか」
と頭にイメージが浮かぶような生々しい内容と描写です。
お二人は何とか無事に降りてこれましたが、内容を読んでいると命を失っても何ら不思議じゃない状況に思いました。
「ギャチュン・カン北壁」のように、夫婦での山行については泰史さん、妙子さんのそれぞれの視点で書かれている章があり、これがまた面白い。それから、常にお互いを思いやっていることが伝わります。
「山野井さんって本当に山が好きなんだなー」
と思わせてくれた一冊でした。
山に登るなら命も惜しくない、指を失ってもクライミングを続けるぐらいですもん。
本物の山バカですね(笑) いい意味で。
垂直の記憶 (ヤマケイ文庫)