僕は登山を始めた頃はトレッキングポール(登山用ストック)を使っていませんでした。
ある登山で、下りが辛い時に友達にトレッキングポールを借りたところ、歩行をサポートするその効果を実感して購入を決めました。
トレッキングポールを使い始めてからは、下山時に脚がガクガクすることも減り、転ぶことも少なくなりました。
僕が使ってるトレッキングポール、LEKI(レキ)の写真を参考に「購入時の見るべきポイント」や「トレッキングポールの使用効果」について説明します。
トレッキングポールは1本で使うものと、2本で使うものとがあります。
1本のものはグリップ部分がT字になっており、荷物が軽い場合に向いていて、主にハイキング目的などの急こう配がない場所での歩行をサポートします。
登山でおススメなのは、2本のトレッキングポールを使うことです。
急峻な場所でも歩行に安定性をもたらし、重い荷物を背負っての歩行をサポートします。
トレッキングポールでも1本で売られていることもあります。
まずは1本で歩いてみて、効果を実感できたらもう1本買い足す、という方法もありだと思います。
ゴム素材(左)と気泡素材(右)
グリップの素材はいくつかあります。
「ゴム素材」は絶縁性があり、気温が低くても手が冷たくなりにくいですが、汗の吸収性はありません。
ウレタンフォームに代表される「気泡素材」のものは汗の吸収性が高いですが、その代わり気温が低いと冷たさを感じます。
「コルク素材」のものはよく手にフィットし、気泡素材ほどではありませんが汗を吸収します。
冬や春・秋の高山を登る場合はゴム素材を、手に汗をかきやすい場合は気泡、もしくはコルク素材がおすすめです。
LEKI(左)とマジックマウンテン(右)のグリップでは大きさに違いがある
グリップの形状は様々ですが、注意して見ておきたいのが「グリップの上部」のデザインです。
僕は上部が大きめ目のものをおススメします。
なぜなら、下山時はグリップ上部を握って歩くことも多く、この部分が大きいとグリップを握りやすく歩行が安定します。
また、より小さな握力で握れるため、小さなグリップと比べて手が疲れにくくなります。
人によって手の大きさは変わるので一概にグリップ大きいものが良い断言できませんが、色々なストックを握ってみて、自分の手にフィットするものを選びましょう。
トレッキングポールはジョイント(節)が複数あり(だいたい1~3個)、そこを伸び縮みさせて長さを調節します。
そのため、トレッキングポールには長さ調節用にジョイント部をロックする機能があります。
ここではロック機能を2つ紹介します。
レバー式ロック(左)と回転式ロック(右)
「レバー式ロック」はレバーを開閉することでポールの長さを調節します。
グローブを付けていても、素早く調節が可能です。
「回転式ロック」はレバー式と並んで、スタンダードなロック機能です。
ジョイント部をねじって回転させることで、ロックを制御します。
個人的には素早く簡単に長さを調節できる、レバー式ロックがおススメです。
トレッキングポールによっては、衝撃吸収の機能が付いています。
これは特に下山時に有効で、手首や肘、肩にかかる負担を和らげます。
ただし、地面着地時にポールの先端が少し動くので、若干の不安定さを感じることがあります。
この機能については、好む人、好まない人がいるかもしれません。
LEKIの衝撃吸収機能。地面着地時に内部に組み込まれたバネが衝撃を吸収する。
トレッキングポールの素材は「ポールの重量」、そして「価格」に最も影響します。
アルミニウム素材はトレッキングポールによく使われる素材です。
素材の特性上、強い衝撃で曲がる可能性がありますが、普通に使っていれば問題ありません。
カーボン素材はとても軽いのですが、値段が高価です。
衝撃吸収性が高いのも特徴です。
一方、素材の特性上、アルミニウムと比べて破損する可能性が高くなります。
さて、最後に僕が実際にトレッキングポール使ってみて、その効果は次のことだと感じています。
・歩行時の推進力が上がった
歩行時に脚の力だけでなく、腕の力も使うことで歩行時の推進力が上がる
・脚の筋肉が疲れにくくなった
脚の筋肉疲労が抑えられ、特に下山時に脚がふるえることが減り、長時間の登山・重い荷物でも筋肉痛が抑えられる
・関節を傷めなくなった
登山後に膝が痛くなることがあったが、トレッキングポールを使うことで膝の関節への衝撃が減り、その症状が軽減される
・安定した歩けるようになった
石や岩が多い足場が不安定な場所、濡れてスリップしやすい場所でもバランスを保ち、安定して歩ける
ただし、トレッキングポールもただの道具。
正しい使い方を知らなければ、その効果は得られません。
トレッキングポールの使い方についてはこちらのページをご覧ください。
記事中の写真でも紹介しましたが、僕のおススメのトレッキングポールはLEKI(レキ)です。
LEKIは1948年に設立された歴史の長い会社で、登山やトレッキングだけでなく、スキーやトレイルランニング用のトレッキングポールも製造しています。
前は違うメーカーのトレッキングポールを使っていましたが、登山者の間で評判のLEKIのトレッキングポールに切り替えました。
使ってみて、「デザインがよく考えられているなー」と思いました。
グリップの形状、ストラップの太さや肌ざわり、レバーの形など細かい部分のデザインです。
簡単に操作できたり、心地よく手にフィットしたりと、「買って良かったなー」と感じています。
値段は少し高めですが、それだけの価値があるトレッキングポールです。
LEKI(レキ) 登山 トレッキング ポール SPD2ソフトライト DSS
LEKI(レキ) ポールバッグ ブラック
登山時にトレッキングポールを使うことで、歩行が楽になり、景色や植物を見る余裕もでてきます。
一度、登山仲間にトレッキングポールを借りてみると、その素晴らしさを実感できるはずです。
◆関連記事
・LEKI(レキ)のトレッキングポールがおすすめな理由
・トレッキングポールの使い方&歩き方をLEKIのポールで説明する
・登山の歩き方のコツ – 疲れにくい歩き方
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高尾山のような軽登山を楽しんでいます。大変参考になりました。ご質問です。今までは一本で、下りのみストックを使っていました。先日滑って転び手首を骨折しました。下りの歩きを安定させたいのですが、二本の方が安定するのでしょうか?左手が空いていた方が慣れていて、自分ではあんていするとおもっています。慣れれば二本の方が宜しいのでしょうか?
コメントありがようございます!骨折したんですね!痛そうですね。
二本の方が安定するかどうかですが、個人的経験だと二本の方が安定しました。僕も最初は一本だけ使っていました。言葉では説明しづらいのですが、体が傾くことを抑えて、体の芯を真っ直ぐにして歩けるようなる感じです。
また、下りだけでなく登りでも使えば、脚への負担が分散されるので疲労も少なくなります。
ただし、二本を使って歩くのは慣れが必要で、3回ぐらいストック二本使いで登山をしないとコツがつかめません。最初は戸惑うと思いますが、コツをつかめば、まるで自分の手のように使いこなせるようになります。
注意点は急な登り下りでは両手がふさがっているので、手が使えなくなることです。そのような場合は、面倒ですがストックをザックに一時的にしまいましょう。無理して両手にストックを持ったまま、峻険な場所を通過するのはとても危険です。
また、今お持ちのストックの形状がわかりませんが、ストックの頭がT字になっているのは一本専用のストックです。二本使いをする場合は今回紹介したLEKIのストックのように頭がT字になっていないものを選んでください。
良い登山を。
ご丁寧に有難うございます。この骨折で、はじめはショックでもうハイキングはしないほうがいいのかと落ち込んでいましたが、三浦雄一郎の挑戦をみて、気をとり直しました。私は72歳です。道具が進化しているので、使いこなせるようになった方が永く楽しめますね。「体の芯が真っ直ぐになる」というコメント、わかるような気がします。色々と参考になりましたので、早速検討してみようと思います。背中を押して頂き有難うございました。