この本は富山県警山岳警備隊についての本です。
警備隊の過酷な訓練内容や、遭難者の救助活動、警備隊員の殉職事故等について書かれています。
本の構成は上記のような内容に沿って章があり、その章の中で色々な警備隊の方が10ページづつぐらい書いており、その時の情景や感じたこと、これからの思いなどが率直に書かれています。
思わず涙してしまう内容もあり、また隊員の方の救助にかける思いに感動しました。
山の遭難者向けに訓練された警察いることは知っていましたが、富山県警の山岳警備隊は日本でもトップクラスのレベルらしく、本にも出てきますがその訓練内容は過酷そのものでした。
五十キロのザックを背負って剣岳を走破するなど、考えられませんよね。そういう訓練を伝統的に行っています。
思い荷物を背負うのは、山で歩けなくなった遭難者を想定してのこと。
富山県は山の晴天率が低く、人力での救助を強いられるためその訓練内容も過酷になるとのことでした。
この本では遭難者の遭難にいたるまでの過程も書かれていて、遭難の防ぐ上で参考になる内容もありました。
僕は幸いにも遭難の経験はありませんが、それは誰にでも起こりうのかなと感じました。
ちょっとした誤った判断が遭難につながる。判断した時には、後でこんなことになるとは思っていなかった。
そういうことが多いのかなと。
そのためにも感情を抑え、冷静に、客観的に自分を取り巻く状況を把握する力は必要ですね。
次にそれを踏まえて判断、決断する力。
そして、最低限の山、登山に関する知識、経験。
「もう一度、読図勉強しようかな」、「日帰りでもツェルトは必要だな」
と思いました。
最後に。
このような「命をかけて遭難者を助けに行く」警備隊がいることに感銘を受けました。
残念なことに、救助活動中や訓練中に殉職された隊の方もいらっしゃいます。
彼らは救助活動以外にもパトロール活動や、山小屋での遭難防止の啓蒙活動もされています。
「より楽しく安全に登山をするために、僕の変えられるところはどこだろう?」
この本を読んで自分の登山のスタイルを見直すきっかけとなりました。
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