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テント泊で僕が見た、夜空の星々の思い出

「なんて綺麗なんだ」
僕は隣の見知らぬ女性と同じように、涸沢ヒュッテのベンチに仰向けになって空を眺めていました。
 
時刻は夜の10時。
アラームをかけておき、テントから顔を出すと、空にはキラキラと光る星。
テントから出て、山小屋までヘッドランプを付けて歩き、ベンチに仰向けになると目の前には他に何も遮るものがなく、ただひたすらに星が輝く夜空が広がっていました。
 
これが僕の記憶に残る、テント泊で最初に見た星空です。
当時はまだ写真を撮ることに執着がなく、残念ながらこの時の写真はありません。
それでもその時の強烈なイメージは、今でも鮮明に残っています。
 
その後、山岳写真が趣味となり、上手ではありませんがいくらかの星の写真を撮ってきました。
 

テント泊で撮影した星空と豆知識

  • 燕岳の燕山荘テント場
  • 立山の雷沢キャンプ場
  • 上高地の徳澤キャンプ場
  • 雲取山の奥多摩小屋
  • 薬師沢キャンプ場
  • 雲ノ平キャンプ場
  • テント泊で星空を見る豆知識

 

燕岳の燕山荘テント場から見た星


北アルプスは燕岳。僕が初めて登った北アルプスの山です。
この写真は、3度目に登った燕岳の燕山荘で撮った写真です。
 
前日に常念岳→大天井→燕岳と登ってきたのですが、雨が降っていて空は曇り、星空は期待していませんでした。
夜中にテントから顔を出してみると、やはり曇っている…
 
と思ったら、雲が流れて夜空に光る星の姿が。
空が澄み渡っていたわけではありませんでしたが、期待していなかった分、星を見れた喜びが大きかったことを覚えています。
それから、早朝には素晴らしい日の出を見ることができて、「終わりよければすべて良し」というテント泊でした。
 

立山の雷沢キャンプ場から見た星


これは夜中の3時に起きて、立山の雷沢キャンプ場から剱御前山に向かった時に撮った写真です。
残念なのはこの日はカメラの調子が良くなく、うまく写真が撮れなったこと。
 
僕のテント泊の中で、一番星が輝いて見えました。
テント場から見えたのは、空一面に大きく輝く星々たち。
いやー、本当に綺麗でした。
 
前日の夜は月明かりで星がほとんど見えなかったこともあり、早朝(といっても3時)に起きて見えた星空は素敵な思い出となっています。
 

上高地の徳澤キャンプ場から見た星


この日のテント泊は天気があまり良くなく、終始うっすらと雲がかかっている様子でした。
初めて彼女とテント泊に行ったのですが、
「多分、きれいな星空が見えるよ」
とテント泊の準備段階から幾度となく言っていたため、「期待させて悪いなー」と思っていました。
 
ところが夜に外に出てみると、雲はかかっていましたが、その合間から星を見ることができました。
15分程度、徳澤園のベンチに腰掛けて星空を眺めたのが思い出されます。
 

雲取山の奥多摩小屋から見た星


「東京でもこんなにきれいに星が見えるのか」
と思ったことを覚えています。
流れ星もたくさん見ることができました。
 
初めて冬の山でのテント泊、雲取山。
マットが薄すぎて眠れず、苦しんでことがいい思い出です(笑)
そして、雲取山から見た日の出は、僕のテント泊のTOP3に入るほど素晴らしいものでした。
 

薬師沢キャンプ場から見た星


黒部五郎岳山行の薬師沢キャンプ場から見た星です。
季節は夏でしたがこの日はすごく寒く、シュラフから出るのが億劫でした。
 
頑張って(とは言ってもテントから顔を出しただけですが)外を見ると、薬師岳方面に輝く星空。
テントの中から体を出さずに写真を撮りました(笑)
 

雲ノ平キャンプ場から見た星


左下に北斗七星、中央やや右にカシオペヤ座
 
ずっと憧れだった北アルプスの黒部源流域にある雲ノ平。
雲ノ平に到着した時は大雨で、夕方には雨が上がったものの雲がうっすらと広がっていたこともあり、星空は期待半分でした。
 
夜に外に出てみると、空いっぱいの星空。
雲ノ平はなだらかで周りに視界を遮る山がないため、空が広く星空も雄大でした。
北斗七星とカシオペヤ座が同居する素敵な星空でした。
 

テント泊で星空を見る豆知識

  • 星空は秋・冬がきれい
  • 街から離れている山ほど星がきれい
  • 新月だと星が良く見える
  • アラームは何回もセットする

 
星空は秋・冬がきれい
空気が澄んでいる秋・冬の方が星がきれいに見えます。
冬のテント泊は難しい方もいると思いますが、秋の紅葉シーズンのテント泊なら素敵な星が見える可能性が高まります。
 
街から離れている山ほど星がきれい
周りに光がないほど、星は綺麗に見えます。
夜中でも街は灯りがともっているので、街灯りが届かない山奥ほどきれいに星が見えますよ。
 
新月だと星が良く見える
これも先の理屈と同じです。
テント泊をすると分かりますが月光は強烈で、満月となるとライトなしでも周りが良く見えるほど明るくなります。
月が新月に近ければ近いほど、きれいに星を見ることができます。
 
アラームは何回もセットする
「夜に起きたけど、雲がかかっていたので眠った」
これでは駄目です!(笑)
星空を見たいなら、何回も夜に起きて外の様子を伺いましょう。
 
僕は22時ぐらいに最初のタイマーをセットし、雲で星が見れなかったら夜中の0時、3時というようにタイマーをセットしてねばります。
地上の天気が曇りでも、高山のテント場なら期待できます。
特に気温が最も下がる3時ぐらいだと雲の位置も下がるので、諦めないで夜中に起きてみましょう。
 
満月の場合も同様で、夜に月明かりで星が見えなかったとしても何回か起きた方がいいです。
月は動きが激しいので、時間を変えると月が隠れて暗くなり、星が見える場合があります。
 
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